初聖地で遠慮なし、沖学園15安打 急造応援団の中身は…

西日本スポーツ

 初めての聖地で初勝利! 春夏通じて初出場の沖学園(南福岡)が北照(南北海道)を4-2で破り甲子園初勝利を挙げた。4番吉村脩希(3年)の3安打を含む15安打を放ち、投げては甲子園からエースナンバーを背負う斉藤礼(同)が10安打を許しながらも2失点に抑えて勝利をつかんだ。甲子園初出場が決まり学校では急きょチアリーダーや応援団を結成。アルプススタンドから野球部の初勝利を後押しした。福岡県勢による夏の甲子園初戦突破は3年ぶり。

 少し西に傾いた太陽の光を浴びながら、甲子園に流れる初めての校歌を思い切り歌った。創部61年目で悲願の甲子園出場を決めた沖学園が、100回目の甲子園の歴史に初勝利を刻んだ。「初のチャレンジだったのに(重圧を)はね返した選手たちを誇りに思った」と就任1年目で導いた鬼塚佳幸監督は大舞台で力を発揮した選手をたたえた。

 甲子園の声援も空気もすべてが楽しかった。南福岡大会3試合で2桁安打を記録した打線は、甲子園でもまったく気後れせずにフルスイングを続け、15安打と打ちまくった。3回に4番吉村が左前適時打を放ち先制。5回は3連打で2点を追加した。先発8人が安打を放ち、試合の主導権を握り続けた。「犠打ではなく足でチャンスをつくる自分たちらしい攻撃ができた」と阿部剛大主将(3年)は笑顔いっぱい。

 この日二塁打2本を含む3安打を放った吉村は昨年11月に左足首を分散骨折し、半年間練習できなかった。6月の福岡地区大会でベンチに復帰。南福岡大会では背番号13だったが、7に変わった夢舞台で半年間の思いを爆発させた。「フルスイングが持ち味なので徹底した。うちの打線が乗っていくのはお調子者が多いから」と笑わせた。

■「即席」応援団後押し

 アルプススタンドの応援は「即席」ながら、力強くナインを後押しした。吹奏楽部はわずか部員7人。学校には応援団やチアリーダーもなく、急きょ応援態勢が整えられた。男子バレーボール部の10人が応援団をつくり、ダンス経験がある生徒やゴルフ部員が集まりチアリーダーを結成。吹奏楽部も経験者やOBが加わって30人を超えた。

 ベンチもスタンドも全員でつかんだ甲子園初勝利だ。次は史上初の2度目の春夏連覇を目指す大阪桐蔭(北大阪)と13日に対戦する。「対戦したかったのでうれしい。多分、大半は大阪桐蔭の応援だけど、また楽しく野球をやりたい」と阿部主将。伸び伸びと、思い切り強豪にぶつかる。 (前田泰子)

DeNA・篠原投手コーチ(元福岡ダイエー、福岡ソフトバンク。沖学園OB)「後輩の活躍には心から感動させてもらっています。甲子園に出たことはもちろん、初戦を突破して校歌が聞けて、これ以上の喜びはありません。次は大阪桐蔭が相手ですが、伸び伸びと自分たちの野球を楽しんでプレーしてほしいと思います」

 ◆沖学園 1958年、博多商高として創立された私立校。87年に現校名となる。普通科、社会総合学科がある。野球部も58年に創部。OBに久保裕也(楽天)、篠原貴行(DeNA投手コーチ)、喜田剛(元阪神など)らがいる。ゴルフ部も全国大会常連の強豪で時松隆光ら多数のプロゴルファーが育った。生徒数は693人(女子は226人)。福岡市博多区竹下2の1の33。沖隆邦校長。

=2018/08/07付 西日本スポーツ=

PR

高校野球 アクセスランキング

PR

注目のテーマ