増田珠の8月9日 甲子園沸かせた男の使命/プロ野球番記者コラム
8月9日。その語呂から「野球の日」とされている。記念日を象徴するように、100回目の夏の甲子園がまっただ中だ。きょうの第1試合には、過去2度の選手権優勝を誇る横浜が登場する。
「この日に試合があるのは、本当に特別」。昨夏、同校の4番を務めたドラフト3位の増田は言う。だが、甲子園のセンターに「神様がいる」とお辞儀をして注目された“野球小僧”が指す「この日」とは野球の日ではない。長崎原爆の日だ。
昨年11月、地元長崎で行われた入団交渉の席で「平和を伝えられる選手になりたい」と誓った。幼いころに見た、祖母の体に残る傷痕は目に焼き付いている。そんな少年が15歳で故郷を離れると、同じ国内であっても「8・9」の温度差があることに戸惑ったという。
世間に影響を与えられようになるのも、結果を残してこそ。きょうも午前11時2分には、目を閉じる。73年前の出来事と向き合い、自らに課す使命を再確認する。 (鎌田真一郎)
=2018/08/09付 西日本スポーツ=




















