根尾に公式戦初2発食らわせた 大阪桐蔭とも打ち合った沖学園の「策」
堂々の戦いだった。初出場の沖学園(南福岡)は史上初の2度目の春夏連覇を目指す大阪桐蔭(北大阪)に4-10で敗れたが、優勝候補筆頭に中盤まで互角に渡り合った。2回に先制し、5回に森島渉(3年)、8回には阿部剛大主将(同)が、プロ注目の根尾昂(同)から本塁打を放ち、投げてはこの夏初先発で甲子園初登板の石橋幹(同)が4回を2失点に抑える好投。沖学園は鮮やかな記憶を残し、聖地を去った。
王者を相手に最後までファイティングポーズをとり続けた。春夏通じて初出場の沖学園が、2度目の春夏連覇を狙う大阪桐蔭から2本塁打を含む9安打4得点。中盤まで互角の戦いを演じた。「大阪桐蔭を相手に攻める試合ができた。大観衆の中で野球を楽しめたから、あそこまでやれた」。涙が乾いた阿部主将の顔に笑みが広がった。
ここまで何度も打ち勝ってきた打線が、ドラフト1位候補右腕の根尾から2発の花火を打ち上げた。公式戦で根尾に1試合2本塁打を浴びせたチームは初めてだ。逆転された直後の5回、先頭の6番森島が142キロの真っすぐを仕留めた。左翼ポール直撃の一発。公式戦初アーチが聖地での同点弾となった。「(打球が)高く上がったので(入るか)際どいと思った。スタンドからの歓声で入ったと分かった」。5月上旬の練習試合で右足首の靱帯(じんたい)を部分断裂。リハビリを経て6月下旬にチームに復帰したが、今も右足首はテーピングが施されている。9回には中前打を放った際に足をつって代走を送られたが奮闘を続けた。
ナインは再び勝ち越されても6回に4番吉村の中前適時打でまた追い付き、必死に食らい付いた。5点を追う8回1死には1番の阿部主将が変化球を捉えて反撃の左越えソロアーチ。「森島に『ホームランを打っていいなあ』って言ったけど、まさか自分が甲子園で打てるとは」と高校通算24号にうなずいた。
試合後半には大阪桐蔭に突き放された。鬼塚佳幸監督は「ほれぼれする強さ。こういうチームとの対戦は初めてで格の違いを見せつけられた」とうなった。それでも犠打を使わず攻め続ける南福岡大会からの戦いを貫いた。根尾の140キロ台中盤の速球を打ち返すために3回以降はノーステップ打法を徹底。「選手は引いたプレーをしなかった。地方大会とは違う成長があった」と鬼塚監督は力を出し切った頼もしいナインをたたえた。
南福岡大会で甲子園経験校を次々に倒し、創部61年目で春夏通じて初出場を果たした。初戦を突破し、大阪桐蔭相手にも堂々の戦いを見せたのは「サプライズ」ではない。第100回の夏に確かな足跡を残した。 (前田泰子)
◆沖学園・斉藤投手「全力を出したが、相手が上だった。勝ちに貢献できず悔しい。まだまだチームは1勝。後輩には成し遂げられなかった全国制覇をしてほしい」
=2018/08/14付 西日本スポーツ=






























