アジア大会閉幕 ジャカルタ

西日本新聞

閉会式で旗手を務める池江璃花子=2日、ジャカルタ 拡大

閉会式で旗手を務める池江璃花子=2日、ジャカルタ

 【ジャカルタ末継智章、伊藤瀬里加】第18回アジア大会は最終日の2日、ジャカルタのブンカルノ競技場で閉会式が行われ、45カ国・地域から約1万1千人の選手が参加したスポーツの祭典に幕を下ろした。

 2020年東京五輪の前哨戦と位置付けた日本は最終日にトライアスロンの混合リレーで2連覇し、75個の金メダルを獲得。金メダル数は前回の14年仁川大会を28個上回り、一定の成果を出したが、期間中にバスケットボール男子の4選手による不祥事が発覚するなど課題も残した。

 大会では韓国・北朝鮮の南北合同チームが3競技で実現。一方で大会規定や組み合わせがめまぐるしく変わるなど、運営はトラブルが相次いだ。次回は22年に中国の杭州で開催される。

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選手や競技団体 問題頻発 自立と自律高める努力を

 今大会で日本は1966年バンコク大会の78個に次ぐ75個の金メダルを獲得した。同大会は中国が参加しておらず、金メダル獲得数で6大会ぶりに韓国を抜き、中国に続いて2位になった選手たちの躍進は大きく評価できる。

 アジアの戦いは幕を閉じ、2年後の東京五輪に向けた準備が本格化する。ただ、日本オリンピック委員会(JOC)や競技団体の統治能力を問われる事態が頻発する今の状況は東京の「金メダル30個」の目標達成に支障を来しかねない。

 大会序盤ではバスケットボール男子の4選手が買春をしたとして事実上の追放処分を受けた。日本バスケットボール協会の管理能力も疑われ、各国からは五輪開催国としての資質を問われるかのような厳しい目を向けられた。

 日本のお家芸だったレスリングの女子は、協会強化本部長だった栄和人氏が五輪4連覇の伊調馨選手に行ったパワーハラスメント問題に揺れ、女子種目が採用された2002年大会以降で初の金メダルなしに終わった。リオデジャネイロ五輪女子63キロ級フリースタイルを制した川井梨紗子選手も同62キロ級で銅メダルに終わった。「ネットでいろいろ書かれていたのは知っていた。だからこそ自分が勝たないといけなかった」と不要な重圧がかかっていた。

 ボクシングでは山根明前会長の助成金流用などの不正疑惑が表面化。体操ではリオデジャネイロ五輪代表の宮川紗江選手に対する指導者の暴力問題と協会幹部のパワハラ問題を巡って混乱している。共通するのは不当な上下関係が正当な競争や選手の成長を阻害しているのでは、という疑念だ。

 清廉なイメージで五輪誘致を勝ち取った日本スポーツ界は東京五輪に向けて世界から未曽有の注目を浴びている。その“目”を意識して誠実な組織運営や振る舞いができれば未来が開けるはずだ。この点にいち早く着目したのが、日本フェンシング協会だ。昨夏の太田雄貴会長就任後、協会の財政構造を公開して代表選手に説明。健全な運営が選手の意欲を促し、今大会の男子エペや女子フルーレの団体で初の「金」につながった。

 JOCは昨年度導入した「JOCインテグリティー教育プログラム」をさらに充実させ、選手や競技団体にモラルの再教育を施す方針。日本スポーツ界の信頼を回復し、東京五輪の成功につなげるためにも、選手も組織も自立と自律を高める努力が欠かせない。

=2018/09/03付 西日本新聞朝刊=

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