西武・松井稼頭央「好きのまま終われる。いいと思う」 9.27引退会見全文(2)
(1から続く)
-15年ぶりに西武に戻って、プレーした印象
これだけ打てる、走れる、守れる、タレントがそろう時代もないのかな。僕が(前回)いた時は野手もすごかったけど、ピッチャーの方々に助けていただいた。1点を守り抜くチームだと思っていた。同じチームでこの1年プレーさせてもらったけど、本当に心強い。これだけの選手と1年一緒にやらせてもらったのは、僕の野球人生では財産。
-自主トレ、キャンプから体をいじめ抜いて臨んだ
準備だけは、結果が伴わない中でも常に自分でやってきた。春のキャンプでは久しぶりに(西武の)ユニホームに袖を通し、興奮と楽しみと不安がある中、1試合でも多く試合に出たいという気持ちで1カ月やった。一度(チームを)出た人間がまたこうして戻ってきて、ここ(メットライフドーム)で最初の打席であれだけの声援をいただいたことは、本当にうれしかった。
-ライオンズとは
先ほども言ったけど、ここで生まれ、ここで育ち、最後にここで引退する。運命的なものを自分自身だけど感じた。こういうふうにチャンスをいただいたライオンズには感謝しかない。
-日本とアメリカでプレー。違いは
一番難しい質問。よく聞かれるけど、思ったのは太陽の近さや芝の匂いだったり、グラウンドに入るとまず芝の匂いをかぎ、子どものころのあれ(気持ち)じゃないですけど、そういう感覚だった。
-今後も多くの日本選手がアメリカでプレーした方がいいと思うか
僕が行きたいと思ったのは、どれだけすごい身体能力のある選手がいるのかに興味があったから。29歳になる年で、行けるならこのチャンスしかない、野球人生もそう長くない中で、アメリカに行ける道が少し広がり、チャンスが広がり、自分も一度挑戦したいという思いだった。実際、いい経験もしたし、日本ではなかった悔しい思いもした。チャレンジ、勉強の連続で、今振り返ればいい経験をした7年間だった。
-同学年のロッテ福浦が22日に通算2000安打を達成。福浦、上原ら同世代で引っ張ってきた
同級生は意識するし、何度か花を渡したケースはあったけど、同級生に渡すチャンスはなかなかないので印象に残っている。これも巡り合わせというか、刺激をもらいながら同級生に負けじいとやってきた。福浦や上原よりも1年でも長くと思ってやってきた。常に意識はしている。
-心残りは
思い残すことはいっぱいあるし、それが引退するということなのかな。当然やりきったとは言えないし、でも自分で決断するというのはこういうことなのかなとあらためて感じた。ただ、残りシーズンもある。僕自身兼任コーチという立場でありながら、選手として最後の最後までチームと一つになって戦いたい。最後の最後まで終わりじゃない。
-今後は
先のことは正直考えていない。ただ、ユニホームを25年間着させてもらって、野球には携わりたい。それよりもまず今年、チームの優勝、CS、日本一へ全力でと思っている。
-選手として、残りの時間をどう過ごすか
まずはシーズンでの優勝。CS、日本シリーズとあるけど、僕はまだライオンズでお世話になって(西武での)日本一がない。日本一になって花道を飾れるよう、僕もその中にいれるよう、一試合一試合、チームのため、ファンの皆さんのために全力でやりたい。
-野球とはどういう存在か
なくてはならない存在だし、好きで初めて、今もまだ野球が好き。この先も好きであり続けるんだろうと思う。そういうと、好きでしかないのかな。好きのまま終われる野球人生、いいと思います。
-涙のない会見
最後にうれし涙で取っておきたい。
-そのうれし涙とは
日本一です。
-最後にファンにどんな姿を見てもらいたいか
このユニホーム姿を見て、またグラウンドに出ている姿、試合の中でもグラウンド出た時の姿を見ていただければ。最後に胴上げをしてもらっているところを見てもらいたいイメージ。本当にそこに向かって、全員で一つに、束になってやっていきたい。ファンの声援を力に変えたい。ファンあってのプロ野球、ファンあっての選手だと思っているので、一試合一試合、皆さまに感謝したい。
=2018/09/27 西日本スポーツ=