父は甲子園のファイナリスト 福岡・筑陽学園の2人が選んだ「別の道」

西日本スポーツ

 来春の選抜高校野球大会の出場校選考資料となる秋季九州大会(第143回九州大会)が20日から熊本市のリブワーク藤崎台球場などで開幕する。福岡大会を制し2季ぶりの出場で初の選抜出場を目指す筑陽学園は、甲子園Vと準VのDNAを受け継ぐ「ジュニア」がけん引する。6番右翼手の福岡大真(2年)の父真一郎さんは1994年夏の甲子園で樟南(鹿児島)のエースとして準優勝。1番遊撃手の中村敢晴(1年)の父寿博さんは92年夏に全国制覇を果たした西日本短大付(福岡)の主将。親子2代で聖地の土を踏むチャンスに胸を躍らせる。

■同じ風景見たい

 父が見た甲子園の風景をこの目で見たい。福岡、中村の2人に共通する強い思いだ。

 福岡は幼い頃から父の偉業は知っていた。真一郎さんは高校時代に春夏通算4度甲子園に出場し、鹿児島商工から樟南に校名変更した1994年夏、エースとして準優勝に導いた。自宅には甲子園の準優勝メダル、記念ボールなどが飾られている。小学4年生から野球を始めたのも父の影響だった。

 高校進学は最初は公立校を志望していたが「私立なら筑陽と思っていた」と、入学後は迷わず野球部に入部。現チームからレギュラーをつかんだ。チームのトレーニングコーチを務める父に対し「高校で野球をするようになってお父さんのすごさが分かった。どれだけ遠いかも分かった」と尊敬する。

 中村は父寿博さんと同じ高校はあえて選ばなかった。「迷ったけど西短(西日本短大付)は一度全国制覇している。まだ全国制覇していない筑陽でやりたいと思った」。2歳上の兄の宜聖(たかまさ)さんは西日本短大付に進み、今夏の福岡大会3回戦で敗れた。兄が果たせなかった悔しさも背負い、甲子園の夢を実現させるつもりだ。

 2人とも小さい頃から家では野球を教わったことはないという。「野球で怒られたことはないけど、褒められたこともない。調子に乗らないようにしてくれているんだと思う」と福岡。福岡大会で優勝して九州大会出場を決めても、言われた言葉は「勝ってかぶとの緒を締めよ」だった。

 夏から1年生ながらレギュラーの中村も「ミスしてもいいから元気を出していけ」と言われるぐらいだ。日本文理大の監督として教え子を数多くプロ野球界に送り込む父から伝わる重圧をかけない配慮に感謝する。

 江口祐司監督は「2人とも父親のすごさが分かってきたところ。福岡は頭がいい。中村は明るさがある。父譲りの運も持っていると思う」と2人に期待する。甲子園のDNAは体に刻みこまれている。「父を甲子園に連れて行きたい」というのが2人の目標。同校初の春の切符を取りにいく。 (前田泰子)

■6番右翼手(2年)

 ◆福岡大真(ふくおか・たいしん)2001年9月16日生まれ。横浜市出身。佐賀県鳥栖市の基里小4年から「原町少年野球」で軟式野球を始め投手、捕手など複数のポジションにつく。基里中ではフレッシュリーグ「筑紫野ドリームズ」で外野手。ホークスカップ優勝。176センチ、74キロ。右投げ左打ち。

■1番遊撃手(1年)

 ◆中村敢晴(なかむら・かんせい)2002年4月13日生まれ。大分市出身。大在小1年から「大在少年野球クラブ」で軟式野球を始め、投手と内野手。大在中時代は硬式クラブ「大分明野ボーイズ」で投手、内野手を務め全国大会に4度出場し4強が最高。183センチ、68キロ。右投げ右打ち。

=2018/10/17付 西日本スポーツ=

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