奇襲ドラフト 個性派5人衆 2位に身体能力派〝糸井2世〟柳田

西日本スポーツ

 全国的なビッグネームでなくとも、気鋭のタレント集団だ。福岡ソフトバンクは2位で広島経済大の身体能力派“糸井(日本ハム)2世”柳田悠岐外野手(22)、3位で浦和学院高の長身ハーフ右腕・南貴樹投手(18)、4位で岡山東商高の捕手から転向2年目右腕・星野大地投手(17)を指名。大トリ5位に「隠し玉」のサウスポー、福岡・祐誠高の坂田将人投手(17)の交渉権を得て、1位の山下と合わせて個性派の5人衆がそろった。

好素材187センチ89キロ 2位柳田

 中央球界では無印の天然素材が、ホークスの2位に目を輝かせた。「ドキドキしました。ホークスは広島からも近い球団。指名されてうれしかった」。広島経済大の柳田悠岐外野手は国内11球団に加え、大リーグのレッドソックスのスカウトの目にも留まったアスリート。無限の可能性を秘めている。

 187センチ、89キロの肉体を持ちながら、50メートル走は5秒9を誇り、遠投125メートルの鉄砲肩。現役時代の秋山監督をほうふつとさせる男は「現役時代のプレーを見たことがあります。素晴らしい選手だった。そういう方の下で野球ができるのは楽しみ」と胸を高鳴らせた。

松中をお手本に

 自ら課題に挙げた打撃は、主砲松中をお手本にレベルアップを誓う。「松中さんのようにインサイドをさばく技術を身につけたい。機会があれば、学びたい」と早くも“弟子入り”を志願。「将来的には3割30本30盗塁を目指したい」と目標をぶち上げた。

 広島で投手、コーチの経験を持つ龍憲一監督は「肩は一級品。年々体が大きくなり、守備も打撃も向上した。プロの球に慣れ、日本ハムの糸井のような選手に育ってくれれば」と期待を込めた。

 柳田はホークスの印象を「常にAクラスに入る強い球団。一日も早く貢献できるような存在になって、優勝を目指す一員になりたい」。恵まれた身体能力をヤフードームで思う存分発揮し、次代を担う。

 ◆柳田悠岐(やなぎだ・ゆうき)

 1988年10月9日、広島市生まれ。大塚小3年で投手として野球を始め、伴中では軟式の八幡シニアに所属。広島商高では2年秋に中国大会に出場した。広島経大では1年秋からレギュラーで、以降7季で広島六大学ベストナイン6度、首位打者4度。大学通算18本塁打。遠投125メートル、50メートル走5秒94。元近鉄の柳田豊投手は父のいとこ。

米国人の父持つ197センチ右腕 3位南

 未完の大型右腕が九州に上陸する。「正直、信じられない。うれしいです。まさか3巡目だとは思ってもみなかった」。米ミズーリ州カンザスシティー生まれで、米国人の父を持つ。身長197センチの南貴樹投手は照れながら、プロの入り口に立った喜びを明かした。

 甲子園出場の経験こそないもの、レンジャーズをはじめ米メジャーも注目してきた一級品の素材だ。MAX145キロ。スライダー、カーブ、チェンジアップを操る。日米でその進路が注目されていた金の卵は「評価されたのは将来性だと思う」と言い切り、「自分のアピールポイントは(体の)でかさと真っすぐの質。角度がある真っすぐで勝負したい」と目を輝かせた。

 甲子園で旋風を巻き起こした松坂(レッドソックス)の姿にあこがれ、小学1年で野球を始めた。中学時代は武蔵府中シニアで全国大会に出場してベスト8に進出。浦和学院では1年生の秋からベンチ入り。エースとなった3年夏の埼玉大会では準決勝で敗退したが、その高い身長と長い腕をしなやかに使った投球フォームは、どのスカウトの目もくぎ付けにしたという。高校入学時から担任も務める野球部の安保隆示部長も「まだまだ伸びしろがある。長い目で見てもらえれば、きっと潜在能力を発揮する」と期待を寄せた。

 身長203センチという父ロイ・スーバーさん(49)は大学時代にバスケットボールをプレーし、母・直美さん(50)はバレーボールの選手だった。「1日でも早く1軍に上がってチームの勝利に貢献したい」。アスリートの遺伝子を色濃く受け継いだ南が夢に向かって高く飛ぶ。

 ◆南貴樹(みなみ・たかき)

 1992年10月23日、米国生まれ。米国人の父を持つハーフで3歳の時に日本へ移り、小学1年から野球を始める。宮前中時代は武蔵府中シニアに所属し3年夏に関東大会優勝。浦和学院高では1年秋からベンチ入りし、3年春はエースとして関東大会優勝。今夏は県大会準決勝で敗退し、甲子園出場経験なし。

馬原2世になる「力勝負の抑えをやりたい」 4位星野

 馬原2世になる-。4位指名を受けた岡山の剛腕、星野が早くも将来のクローザー役に立候補した。「先発よりも力勝負できる抑え役が好き。馬原さんのような投手になりたい」。通算161セーブを誇るタカの守護神と自らの未来を重ね合わせた。

 甲子園出場こそないが、ソフトバンクのほか楽天、阪神など10球団が追っ掛けた逸材だ。昨春に捕手から転向したばかり。馬力をいかしたダイナミックなフォームでMAX148キロの速球を誇り、「見よう見まねで覚えた」という縦スラとカーブにもブレーキがある。

投手歴1年半

 昨秋の県大会で準優勝、今春の県大会は優勝を果たし、チームをけん引した“急造投手”は本格派投手へと変ぼうした。今夏の岡山大会はベスト8に終わったが、そのときも球速は常時145キロ前後を計測。遠投120メートルの地肩の強さ、投手転向後わずか1年半の使い減りしていない肩も魅力のひとつだ。

 ソフトバンクの試合は自宅のケーブルテレビでよく視聴したという。「投手陣がすごい。先発も抑えも充実している。好きな球団の一つでした。最初はプロで通用する体をつくって、2、3年目には1軍で活躍できるようにしたい」

 社会人野球の伯和ビクトリーズ(広島)に所属する兄雄大さん(22)は休部した日産自動車九州の捕手だった。「兄から九州はいいぞといわれていた。まさか僕もプレーするなんて」。不思議な縁のある九州。タカの一員となって描く未来地図を現実のものにする。 

 ◆星野大地(ほしの・だいち)

 1993年3月13日、岡山市生まれ。小学1年からソフトボールを始め、福浜中時代は軟式野球部に所属し主に捕手。岡山東商高で2年春から本格的に投手転向。同年秋は主に抑えを務め中国大会8強入りに貢献した。3年春は県大会優勝、中国大会4強。今夏は県大会8強で甲子園出場経験なし。

杉内うり二つ!隠し玉 5位坂田

 ドラフト会議開始から約2時間を経て、あこがれが現実になった。ホークスのおひざ元でもある福岡県久留米市ではじける歓喜。「順位は関係ない。ずっと好きだった地元球団に評価していただいてうれしい」。5位指名に、祐誠高の坂田将人投手はとびきりの笑みを浮かべた。

 今夏は福岡県大会の3回戦で敗退。中央球界では無名ながら「杉内2世」の呼び声高いサウスポーだ。圧巻の投球が「隠し玉」の座を射止めさせた。最速は138キロながら、切れのある真っすぐと同じ腕の振りで投げるカーブが武器。4強に進出した今春の九州大会では初戦の佐賀北高戦で延長11回、19三振を奪うなど、3試合で29奪三振をマークして評価を一気に上げた。

 もちろん、あこがれの投手は杉内だ。「カーブにストレートの切れ、そしてチェンジアップ。すべてを見習いたい。大事な試合で完封するなどエースとしての活躍ができる。気持ちの強さも尊敬しています」。持ち味のカーブの制球力に、「速さを追求する以上に切れを意識したい」とストレートにも磨きをかけるつもりだ。

 同校から大学や社会人などを経ずに直接プロ入りの道をたぐり寄せた初めての「原石」だ。取り組むべき課題も分かっている。172センチ、65キロと体の線はまだまだ細い。「体が小さいのでまずは体づくりが目標。少しでも早くプロの体に近づけたい」と表情を引き締めて、体重10キロアップを目標に掲げた。

 「強いチームに少しでも早く貢献したい。とにかく勝てる投手になりたい」とあふれる夢を語る無名の大器の座右の銘は「一球の重み」だ。着実に一歩一歩を前進し、ホークスの看板を背負う未来のエースに上り詰めてみせる。

 ◆坂田将人(さかた・まさと)

 1993年3月12日、福岡県朝倉市生まれの17歳。馬田小4年時に「馬田ソフトクラブ」でソフトボールを始め、南陵中では硬式の「朝倉ドジャース」に所属し、2年から投手。祐誠高では1年秋からベンチ入りし、2年秋からエース。3年春の九州大会4強。初戦の佐賀北高戦では延長11回、19奪三振の力投を見せるなど、3試合で計29奪三振。最速138キロの真っすぐと、同じ腕の振りで投げるカーブが武器。好きな選手は福岡ソフトバンクの杉内俊哉投手。

 

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