ソフトバンク工藤監督の執念継投、森が魂の回またぎ 千賀に同僚から「おまえ投げたっけ」

西日本スポーツ

1回1/3を無失点に抑えた森 拡大

1回1/3を無失点に抑えた森

サヨナラ勝ちに大喜びする森(左端)

 ◆SMBC日本シリーズ2018:第5戦 ソフトバンク5x-4広島(1日・ヤフオクドーム)

 工藤監督が振った執念のタクトに、ストッパーが魂の21球で応えた。明石のソロ本塁打で同点に追いついた直後の8回。高橋礼が2死を奪ったところで、指揮官は迷いなくベンチを出た。主審に告げた投手の名前は、森。今季セーブ王を、同点の8回2死でマウンドへ送り出した。

 「短期決戦なので準備はできていた」。鬼のような形相で、守護神は前の打席で一時勝ち越しとなるソロを放っていた会沢と相対した。3球で追い込むと、最後は外角ギリギリにフォークを投げ込み見逃し三振。9回は1死からの安打と犠打で2死二塁のピンチを招いたが、丸に捉えられたかに見えた飛球は右翼上林のグラブに収まった。

 「(丸への球は)少し甘かったけど、いい打者だし絶対にコースだけは間違えないようにした。あとは気持ちだけは絶対に負けないと強い思いでいった」

 今季は、手術のため離脱したサファテの代役として守護神を任されたが、前半戦は最終回のリードを守れず試合をひっくり返されたこともあった。それでも工藤監督は、一貫して配置転換の可能性すら否定し続け「抑えは森」と強調。理由は「あいつの気持ちの強さ」だった。5回に一時逆転の2ランを放った丸の打球も、気迫がまさっての右飛。打たれた時も信頼し続けてくれた指揮官に、まさに気持ちで応えた。

 「途中(継投の)失敗もあって、ピッチャーには申し訳ない思いがあった。リリーフはよく投げてくれた」。王手をかけるために見せた工藤監督の執念は、途中までは空回りした。1点リードの5回には、千賀が2死二塁のピンチを招き打席に丸を迎えたところで、モイネロへスイッチ。だが、高め直球を右翼席にたたき込まれ一時逆転を許した。直後の攻撃ですぐに同点に追いついたが、6回には3番手の武田が、2死走者なしから会沢に一時勝ち越しとなるソロを左翼テラス席へ運ばれた。

 それでも7回2死一、二塁で登板した嘉弥真は代打新井を三ゴロに仕留め無失点。同点に追いついた直後の8回にはルーキーの高橋礼が簡単に2死を奪い森へバトンをつないだ。延長10回には第3戦で5失点していた加治屋が、4番鈴木から始まる打線を無失点。救援陣が第5戦までにマークした「13」のホールドがシリーズ新記録だ。指揮官の執念と、救援陣の気迫で、2年連続日本一へ王手をかけた。 (倉成孝史)

 千賀(2度目の中4日で4回2/3、2失点で降板)「(試合を)壊さなくてよかった。みんなに『お前投げたっけ』と言われたけど。チームが勝ったことがうれしい。あとは全力で応援します」

=2018/11/02付 西日本スポーツ=

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