広島の意表ついたソフトB、執念を感じた4回の攻撃/藤原満氏の目

西日本スポーツ

 どっちに転んでもおかしくない素晴らしい日本シリーズだった。第6戦のポイントは先制した4回。ボール球を投げられるノーボール1ストライクからの西田のスクイズは、広島ベンチの頭になかったと思う。無死一塁のエンドランで初球を安打にした中村晃や2戦連続犠打の内川も含め、選手たちの技術の高さに加えて第2戦で完璧に抑えられたジョンソンに勝つというチームの執念を感じた。

 シリーズ全体では引き分けた第1戦で流れが来た感じがした。広島はCSを楽に勝ち上がり、日本シリーズは本拠地開幕。一方のホークスは西武とCSファイナルステージで激闘を繰り広げた後、相手への熱狂的声援に包まれた敵地へ。最初に広島が勢いづく条件はあった。それが延長12回を戦って、ホークスは相手投手8人を実戦で見ることができた。データはあっても雰囲気を知れたのは大きい。しかも負けなかった。それが福岡での優位な戦いにつながった。

 短期決戦では相手の長所を消すことも大切だ。「甲斐キャノン」で広島の武器の機動力を封じ、何もさせなかったのは非常に光った。小柄でも体幹が強いのだろう。肩の強さは素質だとしても、これだけの活躍は努力のたまものと思う。守備力が評価されてのMVPは本当に価値が高い。

 故障者の多さに最後まで苦しんだ。それでも代役の選手がしっかり仕事をした。下克上を呼んだのは選手層の厚さ。シリーズMVPと第1戦先発投手が育成出身なのだ。こんなチームは他にない。 (西日本スポーツ評論家)

=2018/11/04付 西日本スポーツ=

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