正力賞の工藤監督が感謝 苦渋の決断、選手に苦しい思いも…選考「日本一」が決め手に

西日本スポーツ

日本シリーズ優勝を果たし胴上げされる工藤監督 拡大

日本シリーズ優勝を果たし胴上げされる工藤監督

正力賞受賞者

 福岡ソフトバンクを2年連続の日本一に導いた工藤公康監督(55)が20日、2018年のプロ野球の発展に貢献した選手、監督らに贈られる「正力松太郎賞」に選出された。西武での現役時代に初受賞した1987年、監督就任1年目の2015年に続き、自身3度目の栄光。王会長の4度に続き、秋山前監督、巨人原監督と並ぶ快挙となった将は、選手やチームスタッフに感謝した。

 2年連続日本一に導いた指揮官に、3度目の栄光が訪れた。レギュラーシーズンこそ優勝を逃し2位で終えたが、短期決戦の戦い方を熟知する常勝軍団はポストシーズンで日本ハム、西武、そしてセ・リーグ王者の広島を次々と撃破。球団初の「下克上」日本一を成し遂げ栄誉を手にした工藤監督は「チームに頂いた賞だと思っています」などと、球団を通じて選手やスタッフらに感謝を伝えるコメントを出した。

 「日本一を果たしたときに、選手みんなや周りの人たちが本当に喜んでくれ、みんなで一つになって戦うことができ本当によかったと思いました。今年ほどたくさんの人の関わりと頑張りがあってチームが成り立っていることを実感したことはありません。球団職員・チームスタッフの皆さんにも感謝しております」

 15年の就任以来、最も過酷なシーズンだった。昨季94勝の独走Vと日本一を支え、外国出身選手として初めて正力松太郎賞にも選出されたサファテが開幕直後に故障離脱するなど、主力が相次いで戦線を離脱した。大型連勝をつくれず、93試合を消化した8月5日の時点で今季最多の借金2。昨季の同時期に貯金30だったチームは3、4位を行き来するなどチームは苦しみ、シーズンでは最後まで西武を捉えることはできなかった。

 「日本一を勝ち取りたいという思いをコーチや選手たちとも確認し合い、戦い続けたことで、苦渋の決断や選手に苦しい思いをさせてしまうなど負担を掛けることも数多くあった」。リーグ2位からチャレンジャーとして臨んだポストシーズンで、指揮官の決断がチームを動かした。先発投手陣を中4日でつぎ込み、積極継投で選手層の厚さを存分に発揮。レギュラーシーズンは全試合出場を果たした松田宣を先発メンバーから外すなど苦渋の決断をし、勝利することでチームをまとめていった。

 指揮を執る4シーズンで3度の日本一と実績を積み上げても、なお高みを目指す。「来シーズンも、そしてこれからも、この栄誉ある賞に恥じることのないよう、微力ながら野球界に貢献していきたい」。リーグの覇権奪回、そして3年連続日本一を見据えている。 (鎌田真一郎)

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 「語り継がれる日本Sだった」選考委員の王会長たたえる

 18年の「正力松太郎賞」には工藤監督をはじめ、セ・リーグ3連覇を達成した広島の緒方監督、史上初となる3度目のトリプルスリーを達成したヤクルトの山田哲、10年ぶりの優勝を果たした西武の辻監督も候補に挙がったが、選考委員の間では「やはり日本一が前提」という共通認識が決め手になった。

 選考委員を務めるソフトバンクの王貞治球団会長は「故障者が多い中、シーズン中から先発をリリーフに回すなどのやりくりをし、シーズン2位から日本一になった。特に今年は内容のある、語り継がれる日本シリーズだった」と理由を説明した。

 選考委員は王会長のほか、杉下茂さん、中西太さん、山本浩二さん(以上野球評論家)、門田隆将さん(ノンフィクション作家)が務めた。

=2018/11/21付 西日本スポーツ=

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