ソフトB加治屋、新人王「ひそかに期待していたけど…」新球インスラ習得へ

西日本スポーツ

カットボールの握りを報道陣に説明する加治屋 拡大

カットボールの握りを報道陣に説明する加治屋

日本シリーズで、広島・安部に満塁本塁打を浴びた加治屋 加治屋の年度別登板成績 ソフトバンク加治屋の今季コース別被打率

 福岡ソフトバンクの加治屋蓮投手(27)が28日、左打者対策として「インスラ」習得に意欲を示した。今季球団タイ記録の72試合に登板した5年目右腕は、新人王投票で45票を得たもののタイトルは逃した。この日もヤフオクドームでトレーニングした右腕は、さらなる飛躍を期する来季へ向け、苦しんだ左打者の内角をえぐる変化球の習得に今オフ乗り出す構え。投球の幅を広げ“2年目のジンクス”を打ち破る。

 かすかな望みを抱いていた加治屋に「新人王」の朗報は飛び込まなかったが、来季に獲得したいタイトルが見えた。リーグ最多で球団タイ記録となる72試合に登板し、リーグ3位の35ホールドポイントは堂々たる成績。昨季までの4年間での登板イニングは6回1/3で新人王資格を持っていた右腕はラストイヤーの5年目にブレークした。だが新人王の投票数は楽天田中(112票)、オリックス山本(70票)に次ぎ、3番手の45票となりタイトルを逃した。

 「ひそかに期待していたけど…。来年は最優秀中継ぎのタイトルを取りたい。その前に、チームにいい投手がたくさんいるので、そこで負けないように練習しないといけない」

 サファテ、岩崎が故障離脱する中でフル回転した右腕に慢心はない。「8回の男」の地位を築いたとはいえ、その実績は1シーズンのみ。来季の保証はない。2人の復帰に加え、ドラフトでは大学、社会人から5人指名し、来季の「枠」争いは激化する一方だ。

 進化の必要性は感じている。「球種をもう一つ増やしたい。巨さん(東浜)にしっかり聞きたい」。初参加となる12月のハワイ日本一旅行後は、すぐに1歳年上の先輩東浜との合同自主トレに合流予定。そこで指南を受けようとしているのがスライダーだ。

 直球とフォークを主体とする右腕は横滑りの変化球を求めている。今季もスライダーを投げたが、その割合はわずか1・6%。その18球の中でも左打者へ投じたのは、1球だけだった。「左打者に結構打たれているので、内側に食い込むボールがあればツーシーム系やフォークが有効になる」と考えている。

 今季の対左打者の被打率は3割2分1厘で、対右打者(2割3分3厘)からおよそ9分ほど跳ね上がり、苦しめられた。苦手克服のため、初めて出場したオールスターでは新人王を争ったオリックス山本にもカットボールの投げ方を尋ねたが「独特の感性だったので、試すまでいかなかった」と断念。時間の猶予があるオフの間に新たな変化球習得に再チャレンジし、1軍での居場所を不変のものにする。 (鎌田真一郎)