SB大竹の年俸がジャンプアップ 忘れえぬ「片道8時間バス移動」3軍での日々

西日本スポーツ

契約更改を終え、笑顔で会見する大竹 拡大

契約更改を終え、笑顔で会見する大竹

 ソフトバンクのルーキー左腕・大竹耕太郎投手(23)が1日、ヤフオクドーム内で初の契約更改交渉に臨んだ。今季年俸600万円から900万円増となる1500万円でサイン。育成入団当初の400万円と比べると4倍に迫る昇給だ。会見で今季を振り返り、昨日のことのように述べた。(金額は推定)

 「シーズンの最初は、バスで四国に8時間かけて行くような試合から始まって。ほんとに地味なことを地道に続けてきた結果だと思います」

 早大から育成4位で入団して1年目。背番号133を待っていたのは、米マイナーリーグのような環境だった。開幕間もなく、3軍で四国アイランドリーグplus・高知との試合のために遠征したときだ。「バスで8時間かけて行って、次の日、先発。背中バッキバキです」。寮の自室から枕を持ち込み、補助席の上に足を伸ばして寝たが、なかなかこたえた。

 ソフトバンク3軍のバス長時間移動の話は、何かの記事で読んだことがあったという。「僕は(球団が)わざとやってるのは分かってたんで。(ハングリーな)意識付けのためにやってるんだなと。お金あるんだから、別に飛行機でもいいわけじゃないですか」。引いた視点から、冷静にメッセージをくんでいた。

 そして迎えた登板で、7回2安打無失点の好投を演じるたくましさがあった。3軍遠征のタフさは行き道に限らない。「ナイターが終わってバスで帰って、次の日の朝、6時半とかに(福岡に)着くのが一番しんどいですね。で、その日がオフ(移動を伴う休日)っていう」。笑顔で振り返った。

 こうも続けた。「そんなに苦ではなかったです。むしろ、それをやったおかげで、どこの遠征でもめっちゃ近いですね。名古屋でも」。ほどなく2軍に昇格すると、移動の足は新幹線になった。「最高ですね。うわ、しかも(ホテルが)1人部屋じゃんって」。3軍では相部屋だったが、2軍はほとんどの遠征先で個室。「1軍に来たら、2人部屋に1人になりました」と、2ベッドルームへの成り上がりでオチをつけた。

 2軍で無傷の8勝、防御率1・87と文句なしの成績を残し、登録期限目前の7月末に支配下登録を勝ち取った。背番号「10」を背負ってプロ初登板・初先発した8月1日の西武戦で8回2失点の初勝利。優勝争いどころか借金すら抱えていたチームの光になった。

 1年目の1軍成績は、11試合に登板し3勝2敗、防御率3・88。成功ばかりでなく、中継ぎとして迎えたクライマックスシリーズで思うような投球ができず、試合中のベンチで涙したこともあった。「初心を忘れず、来年以降もしっかりとやりたい気持ちです。ホークス以外は調査書も来てませんでしたし、球団に対して感謝の気持ちがある。プレーでしっかり恩返しできるようにしたい」

 熊本・済々黌高で2年夏と3年春に連続で甲子園出場。早大2年時に春秋リーグ戦、全日本大学選手権も制したが、その後は左肩の故障から不調に陥った。大卒での育成ドラフト4位指名。周囲には慎重論も多かったが、意を決してプロの世界に飛び込んだ。そうして1年目で結果を出し、自身の決断が間違っていなかったことを裏付けた。

 中古ながら国産の高級車も手にした大竹は、原点を忘れない。力を蓄えた筑後のファーム施設には、投球動作を数秒遅れですぐに確認できる映像装置がある。契約更改交渉の席上、それをヤフオクドームにも設置してもらえるよう要望した。球団も前向きに検討するという。

=2018/12/01 西日本スポーツ=

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