福岡からVリーグつかむ 女子バレーチーム発足3か月で全日本クラブ杯準V

西日本スポーツ

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「キャッツポーズ」をする福岡春日シーキャッツのメンバー

スパイクを放つ高山

 福岡県春日市を拠点に活動する6人制女子バレーボールチーム「福岡春日シーキャッツ」がVリーグ参入に向けて日々汗を流している。1996年アトランタ五輪ビーチバレー男子日本代表の高尾和行監督(51)とともに、バレーボール女子元日本代表の宝来麻紀子コーチ(39)がチームをけん引する。チーム発足から約3カ月後の今年7月には全日本6人制クラブカップ女子選手権(宇都宮市)で準優勝。この実績をばねに、さらに腕を磨いていく。

 夜の体育館にボールの音が響く。午後7時すぎ、選手たちが集結したのは春日市総合スポーツセンター。選手12人は事務などそれぞれの職場で勤務後、週3日、練習に打ち込んでいる。

 九州の女子チームは佐賀県鳥栖市にV1の強豪久光製薬があるが、練習拠点は神戸市。昨年、福岡県バレーボール協会がVリーグを目指すクラブの設立構想を掲げ、練習場の優先使用などで協力した春日市が本拠に選ばれた。高尾監督は「九州には実質(女子の)Vのクラブがない。九州でバレーができる環境をつくりたい」と語る。

■高尾監督「九州でバレーできる環境を」

 選手のほとんどは九州出身。今年3月のトライアウトで入団した。チャレンジリーグ(プレミアリーグの下部。現在のV2に相当)でプレーした選手やブランクから復帰した経験者が集まり、4月にチームが発足。練習時間や資金面は実業団と比べると厳しいが、チャレンジリーグの熊本に所属した大熊主将は「バレーをしたい人たちが集まっている。気持ちが強い」と胸を張る。得点や勝利時には手で「キャッツポーズ」(キツネの形と同じ)をつくり「シーキャッツ!」と全員でコール。一体感を高めた。

 世界選手権を経験した宝来コーチは、高尾監督の依頼で人生初のコーチに就任。夫の転勤で福岡に住んでおり「私の経験を伝えられたら」と承諾した。「九州は高校もレベルが高いが、選手が流出している。シーキャッツが選択肢の一つになれれば」と意気込む。大熊主将は「大舞台を経験したコーチからいろんな世界を知った。試合までの気持ちのつくり方など精神面で助言をもらえるのは、すごく恵まれている」と感謝する。

 初めての全国舞台となった全日本6人制クラブカップ女子選手権には主催者推薦で出場。決勝で福井クラブに0-2で敗れたものの「すごい、やるな!と思った。選手も自信になった」と高尾監督は目を細める。

 来年は同選手権優勝が目標。「トライアウトで入った選手の気持ちの強さが準優勝につながった。次は勝って笑えるように選手の長所を伸ばしたい」。宝来コーチは厳しくも温かく見守る。チームマスコットは羽の生えたネコの妖精。チーム名には玄界灘のそばで伸び伸びプレーを、という願いが込められた。躍動を続け、九州に根付いたVクラブになる。 (広田亜貴子)

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■高山“ビーチ流”指導手応え

 ウイングスパイカーの高山侑花は福岡大を卒業後、3年間、同大学でコーチを務め、現在は九産大で助手をしながらプレーしている。大熊主将の左膝負傷後、8月下旬からゲームキャプテンを務め「クラブカップで決勝まで行ったが負けた。悔しさを来年につなげたい」と気を引き締める。

 それでも発足から約3カ月で結果を出した。高山はビーチバレー男子日本代表監督も務めた高尾監督の指導を要因に挙げる。2人一組のビーチバレーでは、レシーブ時にどこに上げるかをパートナーに見えるようにする意識が6人制より強い。高尾監督はその意識をチームに持ち込んだ。高山は「速攻が入りやすくなった」と手応えを感じ「応援されるチームを目指して福岡を盛り上げたい」と誓った。

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◆九州からは、久光製薬と大分三好が参戦

 Vリーグは2018~19年シーズンからプレミアリーグとチャレンジリーグが再編され「V1」「V2」「V3」の3部制に変更された。V1は男子が10、女子11チーム。V2は男子9、女子10チーム。V3は男子のみで6チームが所属する。昇降格もあるが、昇格にはサッカーJリーグと同様に各カテゴリーのライセンス(S1、S2、S3)が必要。九州ではチャレンジ女子に所属した熊本がS1ライセンスを持っていたが経営危機の影響で取り消され、今季はV1女子の久光製薬と同男子の大分三好が参戦。

 Vリーグへの新規加盟は、日本バレーボールリーグ機構が競技実績や地域密着の取り組みなどを審査して決める。福岡春日シーキャッツは来年以降の九州地域リーグ出場を目指すほか、全日本選手権や全日本6人制クラブカップ選手権の予選で実績を積んでいく。


■22日にトライアウト

 福岡春日シーキャッツには現在19~29歳の12人が所属。22日に高卒(見込み含む)以上を対象にしたトライアウトを春日市総合スポーツセンターで行う。問い合わせは福岡春日シーキャッツ事務局=092(409)0847=へ。

=2018/12/06付 西日本スポーツ=