無名の大器に芽生えた反骨心/ホークス2位・杉山一樹1

西日本スポーツ

サッカーに興じる杉山=小学校時代 拡大

サッカーに興じる杉山=小学校時代

 今秋のドラフトでホークスは支配下7人、育成4人の計11人を指名した。3年連続日本一を目指すチームに加わる平成最後のルーキーたちを紹介する。

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 1997年12月7日、静岡県で誕生した3800グラムの男の子を、父・貴康(46)と母・育代(53)は「一樹」と名付けた。「一本の木の幹のように大きく育ってほしい」「自分の意思を、強く貫ける人になってほしい」。21年後、願いはかなう。身長193センチの長身右腕として夢だったプロ野球選手となった。

 一樹が最初に興味を示したのはサッカー。盛んな土地柄だけに夢中になった。当時から周囲より背が大きかったこともあり、もっぱらゴールキーパー。それでも「ゴール前から、スローイングで直接相手のゴールに入れたことが何度か…」と育代は記憶している。投手としての素質の一端だ。

 貴康の親戚には国鉄(現ヤクルト)で4番を務めるなど、強打者として鳴らした森谷良平がいる。貴康自身も小学生時代に競泳のジュニア五輪に出場。けがでやめたものの、中学1年時には野球で130キロを記録した投手だった。スポーツの素養に恵まれた家系で育った一樹も、次第に野球の魅力に引かれていく。

 静岡市立千代田東小3年時に静岡中央リトルで野球を始め投手に。練習が終わっても自宅近くの壁にボールを投げて遊んでいた。「プロ野球は見なかった。とにかく野球の練習をすることが好きで」。静岡市立東中では野球部で野手に。一般入試で入学した駿河総合高では投手に戻った。

 迎えた3年春に転機が訪れる。毎日全体練習終了後も夜遅くまでシャドーピッチングや走り込みを続けた成果が一気に表れた。練習試合で自己最速を10キロ更新する145キロをマーク。無名ながら、身長は192センチに達していた右腕は、地元の新聞に取り上げられ、プロの注目を浴びる存在になった。

 初めてプロを強く意識し、試合に勝利することとは異なる闘争心が湧いてきた。「当時は同級生で同じ静岡の日大三島の小沢や岐阜商の高橋純平が目立ってた。会ったことはなかったけど、負けたくないと思った」。後にソフトバンクでチームメートになる2人へのライバル心が芽生えたのも何かの縁か。ただ潜在能力が開花するのはまだ先のことだ。 (文中敬称略)

=2018/12/12付 西日本スポーツ=

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