全部、捨てちゃおう…ソフトバンク武田を変えた「ボコボコ」にされた日

西日本スポーツ

 ソフトバンクの武田翔太投手(25)が28日、ヤフオクドーム内で契約更改交渉に臨み、年俸9000万円から500万円ダウンの8500万円プラス出来高でサインした。(金額は推定)

 松坂の退団で空いた背番号18を背負った7年目の今季は、とにかく乱高下した。開幕4戦未勝利の後、2試合連続完封したかと思えば、今度は炎上続き。球宴明けについに2軍落ちした直後、駒不足で緊急先発するとまた完封したが、それも長続きしなかった。終盤戦は中継ぎ。そこで復調し、クライマックスシリーズ(CS)では救援で2勝、日本シリーズでは5試合に登板し3ホールドを挙げた。

 契約更改後の会見で「今年に関しては、いいイメージはない。やっぱり北九州でボコボコに打たれた試合が一番印象に残ってます」と言った。そして「あの試合がなければ、CS、日本シリーズの場に僕はいないと思う」とも。

 チームがまだAクラスとBクラスを行き来していた7月、北九州市民球場での首位西武戦。相手は強力打線とはいえ、8安打7失点の大炎上で自己最短の2回KOを喫した。先発投手として、チームを代表してマウンドに立つには、あまりに寂しい状態だった。

 「投げながら感じてたんで。『これじゃないな』と。ボールが、ですね。はっきり言って自信もなかったですし。今でも覚えてます。間違いなく、一球も納得できるボールがなかった」

 角度がない、球質が弱い、体を使おうとしても使えず、かえってロスが出ている。不満を挙げればきりがなかった。60球投げて納得ゼロ。「やってることが違うんだろうな」と現実を突きつけられた。

 「うすうす分かってたんです。早めに対応しようと、ころころフォーム変えてたんですけど、根本的に、入り口から間違った枠の中でやっていた」

 宮崎日大高から一本釣りのドラフト1位で2012年入団。1年目に実質シーズン後半だけで8勝を挙げた。4、5年目に2年連続2桁勝利もマークしたが、そこから右肩故障もあり下降。「結局、続いてない。ってことは、感覚でやってる。その感覚を持ち続けるには理論に変えていくしかない」。つまりはセンスが頼りの感覚派が、自身の方法論に限界を悟った。

 北九州での試合後、即2軍行きとなった。ファームのコーチと話し合う中、名伯楽・久保2軍投手コーチの話に目を丸くした。「今までやってきたのと真逆。こういう考え方もあるのか」。よく言われる「下半身主導」の投球理論を武田も疑っていなかったが、ともすれば上半身に注目し、より高くから投げ下ろすアプローチは新鮮で、そして自身の課題にマッチしていた。

 「北九州でのあの試合は、今まで僕の中で考えたこととか、そういうもの、全て捨てちゃおうという気持ちになれた試合だったんで。シーズン中でしたけど、ゼロから新しい自分を追い求めて、後半戦、大事なところで活躍したいなという気持ちになった。きつかったですけど、自分を強くした試合だったと思いますし。そこが分岐点かなと」

 今オフは、同じく2軍で久保コーチの薫陶を受けてきた大竹らと「日々研究」の自主トレを行っている。「今、野球やってて楽しいなって、久々に思ってます。無意識にやってたことを、今やっと言葉に、形にしてやれている」。来季、再び先発で勝負する。

=2018/12/29 西日本スポーツ=

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