さびない体をつくる「寒天ゼリー」
スポーツに打ち込む子どもを持つお母さん、毎日の食事メニューに頭を痛めていませんか? このコーナーではサッカー元日本代表、山瀬功治選手の妻、理恵子さんが考案したアスリートに適した食材で作る「アス飯(めし)」のレシピを紹介します。
今回はサツマイモとフルーツで作るデザート。子どもたちにも食べやすい栄養満点のゼリーでパフォーマンスアップを目指しましょう。
人が食べ物を口にすると体の中で食品を燃焼させ、エネルギーに変える過程で活性酸素が発生します。活性酸素は細胞膜を攻撃して酸化を引き起こし、老化が進む原因となります。この状態は「体がさびる」と表現されます。
活発な運動は大量の酸素を吸い込む。運動の負荷が大きければ大きいほど、細胞は多くの酸素を必要とするため、活性酸素も多量に発生します。つまり、体はさびやすくなる。これらが筋肉などの疲労や炎症を起こす原因にもなるのです。
また近年、酸化とともに体に悪影響を及ぼすことが分かったのが糖化です。今回紹介する寒天ゼリーには体の「サビ」とともに「コゲ」と言われる糖化を抑える効果があります。
材料の主は果物や野菜、スパイスなど。これら植物性食品に含まれるポリフェノールなどの植物化学成分(フィトケミカル)には強い抗酸化作用や抗糖化作用があり、病気の予防や健康増進に役立つ可能性がある「第7の栄養素」として注目が集まっています。
レシピのポイントはリンゴの芯や皮、ミカンの皮も丸ごと煮込んでしまうこと。植物は根を張って生きていて、菌や昆虫、強烈な紫外線などで過酷な状況に陥ったとしても人のようにその場から逃げることができません。このため、渋味や苦味を生み出したり、香りで昆虫を遠ざけたりと数々のテクニック(生体防御機能)で体の中に多様な植物化学成分を蓄積するのです。
この植物化学成分は、野菜や果物の種や皮部分に特に多く含まれ、ゆで汁にも溶け出します。だからこそ理恵子さんは「できるだけ丸ごと使うことが大切」と驚きのレシピの理由を強調します。
シナモンやゲッケイジュ(ローリエ)には血流を促したり、白血球を増加させたりする香り成分、オイゲノールが含まれます。粉寒天は水溶性食物繊維が豊富な健康食材。水溶性食物繊維は糖質や脂質などが腸から吸収される速度を遅くする役割があり、血糖値の上昇を緩やかにしたり、脂質の排出を助けたりするので減量の効果があります。
「皮や種、芯などを使うことで、自然なうま味や香りで料理のおいしさを引き出し、食べ物を余すことなくいただくことで、私たち人間の生命活動を支えてくれる植物や、食に携わる全ての人への感謝の気持ちが湧き上がります」と理恵子さんはメッセージを送ってくれました。
◆材料(2人分)
・サツマイモ 1/2本
・リンゴ 1/2個
・ミカン 1個
・イチゴ 6個
・蜂蜜 大さじ4
・ローリエ 1枚
・粉寒天 1/2袋(2グラム)
・水、シナモン 適量
◆作り方
(1)…サツマイモ、ミカン、リンゴの皮をむく。リンゴは芯をとり、イチゴはへたをとって全て薄くスライスする。野菜や果物の皮や芯、へたは捨てずにとっておく。
(2)…鍋に(1)の全て(皮や芯、へたを含む)を並べ、ひたひたの水を注ぎ、蜂蜜、ローリエ、シナモンを入れて火にかけ、具材が軟らかくなり、水が半量になるまでコトコト煮込む。
(3)…(2)をざるにあげ、具材と煮汁に分ける。皮や芯、へたなどを取り除き、具材を細かく刻む。
(4)…鍋に(3)の煮汁250CCと粉寒天を入れ、よくかき混ぜ、火にかける。沸騰したら火を止め、(3)の具材を敷き詰めた器に上から注ぎ、固める。
◆山瀬理恵子(やませ・りえこ)1977年生まれ。北海道出身。小学校教諭を務めた後、山瀬功治と2003年に結婚。夫の両膝のけがを機にアスリートが最大限に力を発揮できる料理の研究を始め、故障を克服して日本代表でもプレーした夫を支える。フードコーディネーター、アスリートフードマイスターなど数々の資格を持ち、食や栄養に関する講演活動も行う。




























