日本の新スター「20歳のおじいちゃん」 冨安健洋アジア杯で全試合出場

西日本スポーツ

 ◆アジア杯決勝:日本1-3カタール(1日=UAE・アビダビ)

 4年に1度の舞台で福岡市出身の新星が奮闘した。20歳の冨安健洋だ。全7試合に出場し日本の準優勝に貢献。チーム最年少のDFはカタールとの決勝でも劣勢に屈することなく、果敢な攻撃参加で日本を奮い立たせた。

 冨安は昨年1月、J2福岡からベルギー1部のシントトロイデンに移籍。昨年9月に初の日本代表入りを果たし、今大会はDFでも経験が必要とされるセンターバックで主に起用された。大会を通じて安定した守備を見せ、決勝トーナメント1回戦では決勝点。昨年のW杯ロシア大会後から日本が目指してきた世代交代の象徴となる一人になった。

 中学から福岡の育成組織に入り、17歳だった2015年末に福岡とプロ契約。若手とは思えない落ち着きと忍耐力で、先輩らから「おじいちゃん」という愛称を付けられた。

 昨年末、日本代表の国内合宿が一段落した冨安は小学生時代に学んだ三筑キッカーズ(福岡市博多区)を訪問。子どもたちとボールを蹴り、常々口にしている「日本の代表だけど福岡の代表として戦う」という誓いを新たにし、決戦の地に向かった。

 幼少期から足が速く、運動会では毎年、徒競走で1番。三筑キッカーズの辻寛二代表(67)は身体能力に加え、忍耐力の高さに驚かされた。「我慢強くボールを奪えるチャンスを待つ余裕があった。ラフプレーを見たことがない」。試合中に感情をあらわにすることはなく、得点してもガッツポーズはしなかった。

 小学4年でレギュラー入り。課題が見つかると、週3日、1日1時間の練習以外に自主練習をして自ら克服した。辻代表は長身と脚力が日本で人材不足と言われているセンターバックで生きると判断、5年生からこのポジションで育てた。

 福岡では、現役時代に「アジアの壁」として日本代表を支えた井原正巳前監督から「ベテランのように気の利いたプレーをする」と評された。福岡所属として最後の試合となった17年12月のJ1昇格プレーオフ決勝は左足首の疲労骨折を押して出場し、相手の長身FWを抑え込んだ。

 20年東京五輪、さらに22年W杯カタール大会での活躍が期待される。博多育ちの「おじいちゃん」は決勝で敗れた悔しさも胸に一歩ずつ前へ進む。(末継智章)

=2019/02/02 西日本スポーツ=

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