ソフトBドラ1甲斐野、新兵器は監督直伝「工藤カーブ」 直球との球速差40キロ

西日本スポーツ

 最速159キロルーキーの新兵器は「工藤カーブ」! 福岡ソフトバンクのドラフト1位、甲斐野央投手(22)=東洋大=が今キャンプで工藤監督から伝授されたカーブの習得に取り組んでいる。17日の紅白戦で投じた一球は116キロで、直球との球速差は約40キロ。19日は今キャンプ9度目となるブルペン入りし、捕手が座った状態で81球。そのうちカーブを13球投じている。決め球のフォークに加え、通算224勝左腕の最大の武器を自分のものにすればまさに「鬼に金棒」だ。

■9度目ブルペン

 最速159キロの真っすぐを最大限に生かす。この日のブルペン投球の25球目、右腕の投じたカーブが山なりの軌道を描いて高谷のミットに収まった。「そうそう、それよ」とベテラン捕手に声を掛けられると、甲斐野は思わずはにかんだ。

 「変化球でカウントを取れれば投球が楽になる。カーブで緩急をつけられるよう磨いていきたい」。大学時代はほとんど使わなかった球種だったが、キャンプ序盤に工藤監督から握りや球をリリースする際の感覚を教わった。「(工藤監督の)現役時代をリアルタイムでは知らないけど、動画で(投球を)見させていただいた。すごいカーブでした」。プロ通算224勝を挙げた左腕の「代名詞」習得に力を注いでいる。

 実戦では打者の反応も見た。17日の紅白戦、西田への初球は外角低めに外れる116キロのカーブだった。この試合の直球は最速153キロで球速差は37キロ。「もっと腕を強く振らないとバッターに見切られてしまう。まだまだです」と冷静に分析する甲斐野だが、高村投手コーチは「今は『まだまだ』でいい時期。緩急を使おうという方向性は間違っていない」と、その効果に言及した。

 紅白戦でバッテリーを組んだ高谷もカーブ習得のメリットを強調する。「甲斐野といえば真っすぐとフォークのイメージがある。うまく緩い球を使えれば目先を変えられる」。この日のブルペン投球を視察した楽天の小池スコアラーは「カーブを覚えれば投球術の幅が広がるし、より上のレベルにいくだろう」とあらためて警戒を強めた。

 実戦だけでなく、最大の武器である直球にも好影響を与えている。甲斐野は「真っすぐがよくないときにカーブを投げればフォームを修正できる。よりよい直球を投げるための方法の一つ」と説明。工藤監督からは長い距離でのキャッチボールでカーブを投げるよう指示を受けたという。

 「もっとクッと曲がればいいんだけどね」と指揮官が指摘するように、完成度はまだ高くはない。それでもカーブをものにすれば直球や決め球のフォークがさらに生きることは間違いない。今キャンプはここまでシート打撃、紅白戦での登板で実力の片りんを見せてきたルーキー右腕がさらなる進化を目指す。 (長浜幸治)

■通算224勝左腕の代名詞 現役時代の工藤カーブ

 プロ通算224勝を挙げた工藤監督の代名詞とも言える変化球。上の縫い目に中指、下の縫い目に親指を引っかけ、回転をかけるために指を鳴らすイメージでリリース。落差の大きいカーブを覚えたきっかけを「カーブとこまの握りが同じで、こまを投げる感じで投げたら曲がりが大きなボールになった」と語っている。名古屋電気高(現愛工大名電)3年生で迎えた1981年の夏の甲子園では、カーブを武器に2回戦の長崎西戦で、金属バット採用後としては初となるノーヒットノーランを達成。チームをベスト4に導くなど、全国にその名を知らしめた。

=2019/02/20付 西日本スポーツ=

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