西武山川が告白…柳田は「話が合わない」 キングが見た50発へのライバル

西日本スポーツ

 昨年のパ・リーグ本塁打王でMVP、西武の山川穂高内野手(27)が史上10人(15度)目、日本選手では2002年松井秀喜(巨人)以来となるシーズン50発への思いを語り尽くした。シーズン中にひそかに苦しんでいた昨年の課題から得た取り組み、さらに今年もタイトル争いの最大のライバルとなりそうなソフトバンク・柳田悠岐外野手(30)との秘話も明かした。(聞き手・構成=小畑大悟)

 -宮崎・南郷キャンプを打ち上げ、20日からは高知の2次キャンプで対外試合に臨む。南郷で取り組んできたことは。

 「右方向(への打球)と足でした。上半身の使い方はいいので、シーズン中にバテない足と右方向へのちょっとした意識です」

 -昨年は夏場に足の疲れを感じていたのか。

 「夏場は全然バテていない。5月です。3、4月と結構いい感じでスタートを切れたけど、5月に入って遠征が多くなり、体調も含めてきつかった。それに伴ってホームランが激減し打率も下がって…。3本しか打ってないんじゃないですかね。そこが苦しかったので、シーズンを通して同じでいたい。バテない体とバテないバランスですね」

 -きつい時期をどうやって乗り越えたのか。

 「きっかけは特にないんですけど、普通にやっていれば打てると思っていたんで。技術的なスランプというか、良くなかったのは実は8月。9本打てたんですけど、自分の中で全く意味が分からなかったし、(打撃が)おかしかった」

 -8月の月間打率は2割1分7厘。「おかしかった」と言いながらも本塁打は打っていた。

 「気持ち悪い感じでしたよ。ホームランしか打てる気がしなかったんです。ホームランを打てる気がするときはいいときですが、ホームランしか打てる気がしない。だからバット(の芯)に当たったらホームランだけど、当たらなかったら全部凡退するイメージしか湧かない。ヒットが出る気がしないというか」

 -そういう中で試行錯誤を続けていた。

 「(シーズンが)終わってみて思ったのは去年はいろいろやりすぎたということ。深く考え込みすぎないで、いろいろやらずに単純に数字を決めて、そこに向かってずっとやっている方が多分良かったのに。自分の中でああでもない、こうでもないと頭がごちゃごちゃすることが多かったのが一番の反省点です。バット自体は替えていませんが、フォームや足の上げ幅、目線だとかいろいろやりすぎました」

 -目標50本を公言した今シーズンは一つのことをやり続けるのか。

 「それも無理な話なんですよ。それができたら50本以上打てると思います。なので、無理なのは分かっているけど、もしだめになったときにあまりいろいろ考えすぎないで、自分が決めたものがあって、そこにぶれないようにやっていけば50本打てるんじゃないかと。去年はホームラン王を取りたい気持ちが強すぎて、ギータ(柳田)さんに1本差に迫られたり、投手が勝負してくれなくなったりしたときにめちゃくちゃ焦りました。余計なことをしてしまったな、と。結局、そんな状況でも自分がぶれずにドシッと打席に立って普通にやれば打てるのに、と思いました。自分でやばいやばい…となっていたので、今年はやばい状況をなくしたい。自分がホームラン王を取るものなんだ、50本を絶対に打てるということだけを信じてやりたいです」

 -柳田も50本を目標に掲げ、本塁打王争いではライバルとなる。

 「今のプロ野球ではナンバーワンだと思います」

 -柳田との違いは。

 「単純に数字が違います。打率が3割5分を超える人なので。ただホームランは負けちゃいけないと思います。僕がギータさんにホームランで負けたら何も勝てなくなっちゃうので。走力は勝てないし、打率もあそこまでは残せない。ギータさんはちょっと違う人という感じです」

■全試合「当然」 600打席「当然」

 -柳田と打撃論を交わすこともあるのか。

 「球場で会ったときは話をするんですけど…。ちょっと、話が合わないと思います。僕が思っていることよりちょっと大まか…すぎる…気もするんで。悪い意味ではなく、すごくシンプル。あそこまでシンプルになれたら僕も楽だろうとは思いますけど、それは性格の違いもありますんで」

 -とても興味深い。

 「何でそんなに低めを振らないんですか、って聞いたら、高めにボールを目付けしているからと言われていました。低めはフライが上がりづらいし、高めの方がフライが上がるでしょって返されました。そもそも、それで話が終わっちゃうんで…。低めは振る気がない人なんですよね。ちょっと話が合わないですね(笑)」

 -昨年はその柳田がいるソフトバンクにクライマックスシリーズで敗れて日本シリーズ出場を逃した。ソフトバンクは他球団とは違うのか。

 「違います。嫌ですよ。ソフトバンクの何が嫌かって、元気なんです。僕はそこが一番強いところだと思いますね。試合中もシートノックもそうですし、勝つことに明るい。打てなくても一喜一憂していないように見える。相手から見たら西武もそうかもしれないですけど、そこはやはりソフトバンクが強いなと思うところです。1、2点差ぐらいならいつでもひっくり返すぞという」

 -西武もそれができるチームでは?

 「簡単ではないと思いますね。プロ野球は個人の戦いの中(でやる競技)なので。チームが勝っても自分が打たないと心から本当に喜べない。これは絶対にみんなそうだと思います。一番は自分が打って、チームも勝つと心の底からうれしい。そういう個人の中でチームが勝っていかないといけない。それを真っ先にやろうとしているのが(今年主将の)秋山(翔吾)さんじゃないですか。だから僕たちは秋山さんが必死にやろうとしていることを裏切ってはいけないと感じます」

 -50本塁打を目標に掲げたシーズンに向けて。

 「もう(50本を)やるって決まっている感じです。今は楽しみですね。ただある程度の波には乗らないといけないと思います。30本でいいならけがさえなければ絶対いけるでしょうが、50本となるとけがしないで全試合に出るのが当然、600打席立つのが当然、さらに自分の力をもう少し上げないといけない。だからこそ50本と言っているんですけどね。厳しいと思いますよ」

◆西武で50発はカブレラのみ

 プロ野球でシーズン50本塁打以上の打者は過去9人(14度)。最新は13年バレンティン(ヤクルト)のプロ野球記録60本で、日本選手では02年松井秀喜(巨人)の50本が最後だ。西武の選手では02年55本、03年50本のカブレラのみ。同じ西武で本塁打王6度の中村剛也は09、11年の48本が最多で、山川が球団2人目の大台に挑む。

=2019/02/20付 西日本スポーツ=

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