柔道界最強、素根と阿部 仲良しJK語り尽くす

西日本スポーツ

 柔道女子で2020年東京五輪の金メダルに向けてともに高め合う素根輝(福岡・南筑高)と阿部詩(兵庫・夙川学院高)が高校の卒業式を前に語り尽くした。2人は各競技で世界で活躍する逸材が多い2000年生まれの「ミレニアム世代」。階級は違うが、ジュニア時代から遠征や合宿で生活をともにし、金鷲旗高校大会では決勝で直接対決をするなど切磋琢磨(せっさたくま)を続けてきた。“最強JK”として最後の対談は面白エピソード満載の「女子会」となった。 (聞き手・構成、伊藤瀬里加)

■真夏に“珍道中”

 -合宿や遠征の行き帰りではいつも仲がよさそう。初めて会ったのは?

 素根「会ったというか、初めて試合したのが、小学4年の時」

 阿部「準々決勝で対戦したかな?」

 -勝敗?

 素根「体格が全然違ったので…」

 阿部「私は30キロくらいだったのではないですかね」

 素根「私は53、54くらい」

 阿部「素根選手と試合するとなっただけで、『わ~』という気持ちになった。勝ちたいとかもなく、大きさに圧倒されて、組むだけでよかった。何秒持つかなって。当時からすごい選手だと有名だったから」

 素根「小さくて細かったけど、自分より大きい選手を豪快に投げていたので、すごいなと思って見ていた」

 -実際に対戦して感じたことは?

 阿部「本当に一瞬だった。(ジェスチャーを入れながら)組んでひねりつぶす。素根選手の得意技だったね」

 素根「得意技ではない。これは(苦笑)」

 阿部「持ってぎゅっとやるだけで、みんなぶっ飛んでいく。組んでこう(横にねじ込む動作)」

 素根「(阿部のまねをして)組んでこう、相手が倒れる、そこをねじ込む、みたいな」

 -その大会では3年連続で対戦。阿部選手は勝ちたいという気持ちは?

 阿部「まったくなかった。でも、少しは粘りたいとは思った。6年生の時に、3度目だったので少し粘れるかなという謎の自信を持って向かったけど、全然。3年連続でひねりつぶされた(笑)。でも、その試合で一発だけ袖釣り込み腰みたいな技が入った」

 素根「そう、その時ちょっと浮いた。体が。その時から“阿部さん”はすごい才能があると思った。あ、“阿部さん”って言っちゃった(笑)」

 -仲が良くなったのはいつ?

 素根「中学2年くらい?」

 阿部「中学2年の時の(全日本カデットの)合宿。それまで全然しゃべったことなくて、仲良くもないのに、なぜか2人で(講道館近くの)ドン・キホーテに行ったんだよね」

 -なぜ2人で?

 素根「他にも同世代の子たちがいて、その子たちが東京ドームシティの方に行った。でも、『楽しくなくない?』みたいな。残った2人で『じゃあ、ドンキに行こう』となった。しゃべったこともないのに」

 -そのあたりから次第に交流が深まっていった。

 阿部「中3で2人とも全国中学校大会で優勝して、そこから結構しゃべるようになった」

 素根「高校1年で一緒にシニア(日本代表)に入ったので、そこからはずっと仲がいい。同学年が2人しかいないというのもあって」

 -柔道以外の思い出は?

 阿部「高校2年生の時に浅草に一緒に行ったことかな? スペインでの合宿に行く前に1日空きがあって、自分のお父さんとお母さんが来ていて、輝と行った。いろいろ回って、もんじゃ食べて帰った」

 素根「おいしかった。あとはなぜか、去年の夏、無駄に歩いたやん。かき氷食べに巣鴨から。しかも、詩が歩こうと言い出したのに『頭痛い』って…。アイスを買いにコンビニに寄った」

 阿部「熱中症のようになって『ちょっとあかん』と言ってね。何駅くらい、歩いたっけ?」

 素根「4駅くらい。巣鴨から講道館のあたりまで。ただただ、きつかったという…。結局、(並んでいて)かき氷は食べられなかったし」

 阿部「バカやったな(笑)」

 -おととしの金鷲旗で久しぶりに対戦。夙川学院先鋒の阿部選手が4人抜きした後、南筑大将の素根選手が5人抜き。

 素根「抜いてくるだろうと思っていたけど、結構、秒殺してきた。副将とか一瞬で終わって心の準備が…。『え、はやっ』って慌てました。慌ててたよね、あれ」

 阿部「慌ててたな。でも、(素根は)『待ってました』みたいな雰囲気だった。自分も輝と本当にやりたいと思っていた。これが最後になるだろうから、とりあえず頑張ろうと。(試合が始まる)大会2日目から出て5人抜いて、ずっと連続で結構きつくて、でもなんか4人目になって『あ、抜けたな』って。組めただけで幸せだった。『懐かしいな』って。でもまぁ、一瞬で投げられた」

 -体重無差別の全日本女子選手権でなら対戦の可能性があるが。

 阿部「五輪終わって落ち着いたら…。ちょっと考えます(笑)」

 -柔道面で、お互いの尊敬している部分は。

 阿部「上背もあまりない中、身長の高い選手や、大きい選手に勝ち切るところや、負けた相手に次は絶対勝つ部分は尊敬しています。組み手とか本当にうまい」

 素根「柔道に対する姿勢とか、なんだろう…。すごいじゃないですか。とにかく」

 阿部「意味が分からん(笑)」

 素根「技もだし、スピードがまずすごいと思う。練習に取り組む姿勢や、多くの大会で結果を残しているというのも、やっぱりすごい」

 -練習への姿勢は?

 素根「確か、世界選手権前の合宿の時だったかな。全体練習が終わった後も1人でずっと投げ込みとかをやっていたのを見て『やっぱり、ここが違うんだな』と思った」

 阿部「自分ができなかったところ、納得いかなかったところは最後にやって終わるようにはしている」

 -春からは大学生。今後、どんな関係でいたいか。

 阿部「信頼できて、お互い一番分かり合える部分が多いと思う。合宿などでいろいろ話していきたい」

 素根「共感できる部分とかもあると思うので、一緒に頑張っていきたい」

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