元ソフトバンク城所氏 引退式の鬼肩を後押しした存在

西日本スポーツ

 ◆オープン戦 ソフトバンク7-2阪神(3日・ヤフオクドーム)

 昨季限りで現役引退した元ソフトバンク城所龍磨氏(33)の引退セレモニーが試合前に行われた。

 スピーチで、ダイエー時代を通じホークス一筋15年プレーしたことへの感謝を述べた。セレモニアルピッチでマウンドに上がると打席に柳田、捕手は福田。後輩のお膳立てによる対戦形式で行われた。

 仕込んでいた目薬で涙を演出。外野席から応援歌が響く。柳田が132キロを空振りしても勝負は続いた。「聞いてなかった。打ってくれるのかな?と軽く投げて」と、123キロも空振りされると、最後はこの日最速の135キロで空振り三振の幕切れだった。

 マウンドから引き揚げる途中、助走をつけて右翼席へ大遠投。どよめきと歓声の中、白球はスタンド中段まで届いた。

 プロ入り後の測定で最長119メートルが何度かあったと記憶している城所氏も「115は、いった」と自負した。さらに背番号23のユニホームの下に仕込んだ、サイン入りTシャツを内野席に投げ込む締めくくり。一度、防球ネットに引っかけてしまい、フィールド席まで取りに行って投げ直すオチもつけた。

 練習ではスタンドに届いてもギリギリで「ヤバいなと思った」が、本番で爆発。「スパイクを履くと、というか、野球選手の格好をすると飛距離が全く違いましたね」。練習との違いは、それ以上に「選手ってアドレナリンが出るもの」だった。「応援してくれる人の力はすごい。一人じゃないことがどれだけ強いか。プロで15年やらせてもらって痛感していた」

 準備段階での後押しも。「僕の売り、特長は肩。一番自信があるところ。(大遠投を)発案してくれた方と練習させてもらった」。ダイエー時代からともにプレーした先輩である「ムネさん」。昨季開幕前に退団した川崎宗則氏と、昨秋の12球団合同トライアウト参加前と同様に、トレーニングを積んでいたという。

 練習した上で「『休み肩』をつくろう」と1週間、投げずに力も蓄えた。工藤監督を「全然衰えてない、投げられる。まだやれたんじゃないか」と驚かせた。年明けから球団のスポーツ振興部で、子どもたちに野球を教える身。「元プロはこんなにすごいんだぞ、というのを見せなきゃいけない。そうでないと子どもたちに夢を与えられない」。面目躍如の一投だった。

 プロ2年目だった2005年、8月に代走で1軍初出場。打球をよけられずアウトになった。「(セレモニーの)映像でも流していただいた。一発目が守備妨害。前代未聞の初出場で、苦い思い出からスタートした。ロッテとの首位攻防戦。ほんとに青ざめた。よく15年もできた」。主に代走・守備のエキスパートとして駆け回った男は「ホークスに育ててもらった。選手で日本一を経験できたんで、ホークスのコーチになって日本一を経験したい」という将来の夢に向かって、自己研さんを積む。

=2019/03/04 西日本スポーツ=

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