サファテぶち切れV奪回 ムネリンが帰ってきた【平成29年のホークス】

西日本スポーツ

日本シリーズ第6戦、3イニング目の延長11回を投げ終えたサファテ(平成29年11月4日) 拡大

日本シリーズ第6戦、3イニング目の延長11回を投げ終えたサファテ(平成29年11月4日)

プロ1号の満塁本塁打で勝利に貢献し、お立ち台で笑顔を見せる甲斐(平成29年5月2日) 日米通算1500安打を達成し、ファンの歓声に応える川崎(平成29年5月11日) 2年ぶりのリーグ優勝を果たし、インタビューの途中で感極まり声を詰まらせる工藤監督(平成29年9月16日)

 ソフトバンクが本拠地を福岡に移して30周年を迎えた。移転最初のシーズンは平成元年。弱小から常勝へと変貌した「平成のホークス」の歩みを振り返る。

 ◆2017(平成29)年=1位/94勝49敗 勝率・657

 球史に残る大逆転で日本ハムに優勝をさらわれた前年の悔しさを抱えたソフトバンクが、歴代5位の94勝という球史に残る強さでV奪回を果たした。

 工藤公康監督は就任3年目で初の白星スタート。6年ぶりに大役を務めた和田毅が球団最年長の36歳1カ月で開幕戦白星を挙げた。その和田や武田翔太が序盤で離脱。4月5日に楽天と同率で首位に立ったのを最後に、一時は5ゲーム差の4位に沈んだ。

 苦しむ投手陣と対照的に野手陣は序盤から明るい材料が相次いだ。開幕直後に米球界から復帰した川崎宗則が4月末に1軍昇格。ベンチを活性化させ、5月に甲斐拓也が育成ドラフト出身選手では初の満塁弾となるプロ1号を放ち、翌日に上林誠知もチーム53年ぶりの2試合連続グランドスラムを放った。その後、川崎自身も日米通算1500安打と貫禄を見せた。

 若手の活躍もあり波に乗ったチームは徐々にペースアップ。首位の楽天を捉え、6月中旬からは順位が入れ替わりながら2・5ゲーム差以内の競り合いを演じた。楽天の消化ペースが8~9試合遅かったため、ソフトバンクはマイナス0・5差やプロ野球30年ぶりのマイナス1差で2位という珍現象もあった。

 課題の先発陣は東浜巨、千賀滉大に育成出身の石川柊太らが奮闘したが、完投する投手が少なくブルペンの負担が激増。こうした中で“事件”が起きた。8月1日、サヨナラ打を浴びたサファテが「先発投手が早く降板するとツケはわれわれに回る」などと発言。不穏な空気が漂いかねない言葉だったが、チームの誰もが信頼する守護神だけに真意は正しく伝わった。

 そこからチームは一気に加速し、ソフトバンク通算1000勝に到達した8月15日からは一度も首位を譲らずゴール。90勝した15年より1日早い9月16日にリーグ最速記録で頂点に立った。工藤監督の目にも涙がキラリ。プロ野球最少タイのシーズン38失策という堅守でつかんだ優勝でもあった。

 プロ野球新記録の54セーブを挙げたサファテはDeNAとの日本シリーズでも最終戦で3イニングを投げるなどしてMVP。リーグMVPに加え、外国人選手初の正力賞も受賞した。岩崎翔は最優秀中継ぎのタイトルを獲得。新加入のデスパイネが35本塁打、103打点で2冠に輝いた。

=2019/03/09 西日本スポーツ=