甲斐キャノンの鯉封じ 首位1日だけで日本一【平成30年のホークス】

西日本スポーツ

6連続盗塁阻止の活躍で日本シリーズMVPに選ばれた甲斐(平成30年11月3日) 拡大

6連続盗塁阻止の活躍で日本シリーズMVPに選ばれた甲斐(平成30年11月3日)

西武戦の試合前、打撃練習の打球が頭部に当たり横たわって救急車の到着を待つ柳田(平成30年9月16日) プロ野球新記録のチーム7戦7セーブを挙げファンの声援に応える森(平成30年9月25日) 球団初の「下克上」日本一を達成し、祝勝会でたる酒を浴びる工藤監督(平成30年11月3日)

 ソフトバンクが本拠地を福岡に移して30周年を迎えた。移転最初のシーズンは平成元年。弱小から常勝へと変貌した「平成のホークス」の歩みを振り返る。

 ◆2018(平成30)年=2位/82勝60敗1分け 勝率・577

 球団創設80周年のメモリアルイヤーはペナントレースで泣き、ポストシーズンで笑う球団史上初の「下克上」で2年連続日本一となった。

 シーズン初陣でオリックスに2-0。千賀滉大、岩崎翔、サファテが開幕戦ではプロ野球初の継投による1安打完封を成し遂げた。幸先よく滑りだしたがやがて故障者が続出し、終わってみれば開幕日がシーズンで唯一の首位となってしまった。

 4月に岩崎、サファテが相次いで手術。千賀も故障離脱を繰り返し、5月9日に通算2000安打を達成した内川もほどなくして負傷で消えた。東浜巨もリタイアするなど乗れないチームで、中村晃や三冠王に迫る勢いで打ちまくった柳田悠岐が奮闘した。

 この年、球史に残る勢いで得点を重ねたのは西武の獅子脅し打線だ。7月に球団史上初めて1試合で7人が本塁打をマークするなどソフトバンク打線が猛威を振るったが、西武は秋山翔吾、浅村栄斗、山川穂高や森友哉らが防御率の安定しない投手陣をカバー。開幕から一度も首位を譲らずに走り続けた。

 両者の差は8月中旬で最大11・5ゲーム差。地力を見せたソフトバンクが猛追して1カ月後に3差まで接近したが、その後2度の天王山で屈しミラクルは起こせなかった。最初の天王山だった9月15~17日の2戦目では試合前に柳田の頭部に打撃練習の打球が当たり離脱。最後まで故障禍に泣かされた。

 悔しさを晴らすべく臨んだCSでは日本ハム、西武を撃破。球団史上初めて2位以下から勝ち上がって日本シリーズに進み、初めて広島とのカードとなった頂上決戦も制して2年連続日本一となった。

 シーズンで盗塁阻止率12球団トップだった甲斐拓也がシリーズ新記録の6連続盗塁阻止をマークしてMVP。強肩捕手として「甲斐キャノン」の呼び名が全国に知れわたった。シーズンでの首位が1日だけのチームが日本一となったのは初のケースだった。

 サファテに代わり抑えとして活躍した森唯斗が37セーブで初タイトル、5年目の加治屋蓮は球団タイの72試合に登板した。柳田は15年に続く2度目の打率3割5分超えで首位打者。4年連続で最高出塁率のタイトルも獲得した。

=2019/03/10 西日本スポーツ=