ソフトBサファテ苦悩激白 開幕1軍ない? 直球132キロは「中学生以来」

西日本スポーツ

トレーニングをするサファテ 拡大

トレーニングをするサファテ

高村投手コーチ(左)と話をするサファテ

 昨年4月に右股関節を手術した福岡ソフトバンクのデニス・サファテ投手(37)が18日、悩める胸中を激白した。筑後のファーム施設で行われた投手練習に救援陣ではただ一人、参加。オープン戦2度目の登板となった17日のヤクルト戦(神宮)では130キロ台の直球もあり、「昨日(17日)みたいな投球だと(開幕1軍は)ない」と危機感を募らせた。開幕まで、あと10日。残された2度の登板が“最終テスト”となる。

 「3・29」の開幕前ラストウイーク。筑後の屋内練習場に先発投手陣が集う中、救援陣で一人、サファテの姿があった。理由は一つ。「ひどいから」。状態が上がらない右腕は復調のきっかけを求め、関東遠征を終えた翌日にもかかわらず、ボールを握りにきた。

 今月13日の巨人とのオープン戦で、昨年4月の右股関節手術から約11カ月ぶりに実戦復帰した。ただ2度目の登板となった17日のヤクルト戦では、最速は143キロにとどまり、直球でも130キロ台が計測されるシーンもあった。150キロを超える剛球で圧倒する本来の姿とは懸け離れている現状に、サファテ自身も危機感を募らせている。

 「(直球で)132キロを投げたのは、中学生以来。今までのボールは、キャッチャーに届いてからバックネットへと突き抜けるイメージだった。でも、今はキャッチャーまでで(勢いが)止まっている。(照準は)開幕のつもりだけど、昨日(17日)みたいな投球だとないのかな」

■2試合登板予定

 常に強気で、前向きな言葉を口にする男にしては珍しい弱気な発言。不安を振り払うように練習では全力で腕を振った。約50メートルの距離で水平に近い軌道の力強いキャッチボールを終えると、15メートル先に置いたマーカーコーンを標的にし、たたき付けるように投球。5球目で直撃すると絶叫した。これまで遅れ気味だった腕の振りを修正するのが狙いだった。感覚を取り戻すと平地ながら座った相手に15球を投げた。

 残り5試合のオープン戦のうち、サファテは2試合の登板を予定する。倉野投手コーチは「本調子でないことは明らか。9回を抑えられるレベルであれば戦力になる。でも、今の状態では厳しい。劇的に変わることを期待している」。開幕メンバー決定までのリミットが迫る中、通算234セーブを誇る剛腕への信頼は変わっていない。

 長いブランクを埋めることと、術後のコンディションを整えることは想像以上にハードルが高い作業だった。19日には家族が来日する。「強力なメンタルコーチが来てくれる」。悩みを募らせる右腕は、前向きな声をかけてくれるジェイダ夫人のサポートを心待ちにする。

 「11カ月、投げていなくて、4試合だけですごい投球できる人がいたら、いろいろ質問したい。それはスーパーマン」。シーズン54セーブの日本記録を持つスーパーマンが、自身に突き付けられた“難問”を前に必死でもがいている。 (鎌田真一郎)

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サファテの今季オープン戦VTR

 ◆3月13日巨人戦(ヤフオクドーム)

 昨年4月15日ロッテ戦(鹿児島)以来の実戦登板となった。3万9050人の本拠地の大観衆からの「おかえり」の声が響く中、9回から登板。先頭中島に147キロ直球を左前に運ばれると、続く石川にも141キロ直球を中前に運ばれた。いきなり無死一、二塁のピンチを迎えたが、相手のバント失敗でアウトを一つ取ると落ち着きを取り戻した。立岡に四球を与えて1死満塁となったが、6球目にこの日最速の150キロをマーク。代打田中俊を147キロ直球で左飛に仕留めて無失点に切り抜けた。ただ真っすぐは140キロ台中心で150キロ台は1度だけ。術前の球威からは程遠かった。

 ◆同17日ヤクルト戦(神宮)

 3点リードの8回にオープン戦2度目となる登板。途中出場の上田に、初球の内角直球を簡単に右前へ運ばれた。続く広岡、大引は打ち取ったが、2死二塁からルーキーの中山にファウルで粘られ、7球目のフォークを左翼線への適時二塁打とされた。この日の最速は143キロ。直球は140キロ台前半がほとんどで試合後、「今日よかったところはない。やらないといけないことはいっぱいある。まだまだということしか言えない。まだ自分のボールが投げられていない。しっかり試合で自分のボールを投げられるようにしたい」と反省を口にした。

=2019/03/19付 西日本スポーツ=