イチロー日本復帰の問いに「ここで言えないなぁ」一問一答2

西日本スポーツ

試合終了後もスタンドに残ったファンの声援に応えるイチロー 拡大

試合終了後もスタンドに残ったファンの声援に応えるイチロー

 マリナーズのイチロー外野手(45)が21日、開幕2戦目のアスレチックス戦(東京ドーム)後に東京都内のホテルで記者会見し、引退を表明した。日米通算4367安打(日本1278、米国3089)。一問一答は以下の通り。(2)

-開幕シリーズを「大きなギフト」と表現していた。こちらがギフトをもらった気持ちだ

 (質問者が女性アナウンサーで)そんなアナウンサーっぽいことを言わないでください(場内:笑)。

-これからどんな「ギフト」をくれるか

 (即座に)もうないですよそんなもん。そんなの、無茶言わないでくださいよ。

 いやでも、ほんとこれ、大きなギフトで。去年、3月の頭になって、マリナーズからオファーをいただいてからの、ここ、今日までの流れがあるんですけど。あそこで終わってても全然おかしくないですからね。去年の春に終わっていても全くおかしくない状況でしたから。もう、今、この状況が信じられないです。

 あのとき考えていたのは…まあ自分が、オフの間、アメリカでプレーするために、準備をする場所というのが、まあ神戸の球場なんですけども。そこで、まあ寒い時期に練習するので、ヘコむんですよね。やっぱ心、折れるんですよ。

 でもまあ、そんなときもいつも仲間に支えられてやってきたんですけど、でも最後は、今まで自分なりに訓練を重ねてきた神戸の球場で、ひっそりと終わるのかなぁ…って、あの当時、想像していたので。もう夢みたいですよ、こんなの。これも大きなギフトです。僕にとっては。

 質問に答えてないですけど、僕からのギフトなんてないです。

-涙がなく、笑顔が多かったのは、楽しかったからか

 ええっと…これも純粋に楽しいということではないんですよねえ。やっぱり、誰かの思いを背負うということは、それなりに重いことなので。そうやって1打席、1打席、立つことって、簡単ではないんですね。だからまあ、すごく、疲れました。

 で、やっぱり1本、ヒット、打ちたかったっていう。応えたいって、まあ、当然ですよね、それは。僕にも…感情がないって思ってる人いるみたいですけど、あるんですよ。意外とあるんですよ。だから、結果残して、最後を迎えられたら一番いいなと思っていたんですけど、それはそれはかなわずで。それでもあんな風に球場に残ってくれて。

 まあ、そうしないですけど、死んでもいいという気持ちはこういうことなんだろうなあと思います。死なないですけど。そういう表現をするときって、こういうときなのかなって思います。

-「最低でも50歳までは現役」と言ってきた。日本プロ野球に戻ってプレーする選択肢はなかったか

 なかったですね。

-なぜか

 それはここで言えないなぁ(場内:笑)。50まで…確かに、いや最低50までって本当に思ってたし。まあでもそれはかなわずで、有言不実行の男になってしまったわけですけど、まあでも、その表現をしてこなかったら、ここまでできなかったかもなという思いもあります。

 だから、言葉にすること、難しいかもしれないけど、言葉にして表現することっていうのは、目標に近づく一つの方法ではないかなと思っています。

 (長く取材してきた記者が質問者として名乗るも、声量が控えめで)あの、大きな声でお願いします。はい。

-膨大な時間を野球に費やしてきたが、これからその分の時間をどう費やすか

 まあちょっと今は分からないっすねー。でも多分、明日もトレーニングはしてますよ(場内:笑)。それは変わらないでしょう。僕、じっとしていられないから。それは、動き回ってるでしょうね。だから何か、ゆっくりしたいとか全然ないんですよ。全然ないです。多分、動き回ってます。うん。

-生きざまでファンに伝えられたこと、伝わっていたらうれしいことは

 うーん…。生きざま、というのは僕にはよく分からないですけど、生き方という風に考えれば、まあ先ほどもお話ししましたけど、人より頑張ることなんてとてもできないんですよね。あくまでも量りは自分の中にある。それで自分なりに、その量りを使いながら、自分の限界を見ながら、ちょっと超えていく、ということを繰り返していく。そうすると、いつの日か、こんな状態になっているんだ、っていう状態になって。

 だから少しずつの積み重ねが…それでしか自分を超えていけないと思うんですよね。何か、一気に何か高みに行こうとすると、今の自分の状態とやっぱりギャップがありすぎて、それは続けられないと僕は考えているので。地道に進むしかない…まあ進むと言うか、進むだけではないですね、後退もしながら。あるときは後退しかしない時期もあると思うので。でも自分がやると決めたことを信じてやっていく。でもそれは正解とは限らないんですよね。間違ったことを続けてしまっていることもあるんですけど。

 でもそうやって遠回りすることでしか、何か本当の自分に出会えないというか、そんな気がしているので。そうやって自分なりに重ねてきたことを、まあ今日のあのゲーム後、ファンの方の気持ちですよね。それを見たときに、ひょっとしたら、そんなとこを見ていただいていたのかなと。それはうれしかったです。それはうれしかったです。

 あ、そうだとすればすごくうれしいし、そうじゃなくてもうれしいです、あれは。

-シンプルな質問。現役引退後、一般的にはプロ野球の監督、指導者になったり、あるいはタレントのようになったりすることはよくある…

 あんまりシンプルじゃないですね(場内:笑)。

-イチロー選手は何になるか

 何になるんだろうねぇ。そもそも何か、片仮名のイチローってどうなんですかね。いや、何か「元カタカナのイチロー」みたいになるんですかね。あれ、どうなんですか。元イチローって変だね。いや、いちろうだし僕っていう。音がいちろう(一朗)だから。書くときどうなるんだろうね。

 どうしようか。何になる…う~ん。いや監督、絶対、無理っすよ。これは絶対、がつきますよ。うーん。人望がない。ほんっとに。人望がないですよ僕。

 (質問者から「そうでもない」と返され)マイク使って言ってもらっていいですか。

-そうでもないと思うが

 いやあ…無理っすね。それぐらいの判断能力は備えているので。ただ、どうでしょうね、ま、プロの選手とか、プロの世界というよりも、やっぱりアマチュアとプロの壁がどうしても、ねえ、日本の場合、特殊な形で存在しているので。今日をもって…どうなんですかね、そういう部分って。今までややこしいじゃないですか。

 たとえば極端に言うと、自分に子どもがいたとして、で、その、高校生であるとすると、教えられなかったり、とかっていうルールですよねえ。確か。違う? そうだよね。そういうのって何か変な感じじゃないですか。

 だからまあ、今日をもって元イチローになるんで(場内:笑)。ま、それは、小さな子どもなのか、中学生なのか、高校生なのか、大学生なのか。分からないですけど、そこには興味はありますね。うん。

-引退決断に至るまで、悩んだ時期はあったか

 まあ、引退というよりかは、クビになるんじゃないか、はいつもありましたね。ニューヨークいってからは、毎日そんな感じです。ニューヨーク、まあマイアミもそうでしたけど。ニューヨークって、皆さんご存じかどうか分からないですけど、まあ、特殊な場所です。

 マイアミもまた違った意味で特殊な場所です。だからもう毎日そんなメンタリティーで過ごしていたんですね。でその、クビになるときはもう、まさにそのときだろうと思っていたので。そんなの、しょっちゅうありました。はい。

-そういう時期が続いた中で、今、引退を決めた理由は

 まあ、マリナーズ以外に行く気持ちがなかったということは大きいですよね。去年、シアトルに戻していただいて、ほんとにうれしかったし、うん。まあ先ほど、キャンプ前での、オファーがある前の話をしましたけど、まあその後、5月にゲームに出られなくなる。あの時も、そのタイミングでもおかしくないんですよね。でも、この春に向けて、まだ可能性があると伝えられていたので、そこも自分なりに頑張ってこられたということだと思いますけど。質問なんでしたっけ。あっ、そうか。もう答えちゃった。

 (3につづく)

=2019/03/22 西日本スポーツ=