イチロー「ダメだ、これ言うとまた問題に」一問一答4

西日本スポーツ

引退会見でマリナーズ・イチローは「自分が夢中になれるものを見つけてほしい」と子どもたちに呼びかけた=22日未明、都内のホテル 拡大

引退会見でマリナーズ・イチローは「自分が夢中になれるものを見つけてほしい」と子どもたちに呼びかけた=22日未明、都内のホテル

 マリナーズのイチロー外野手(45)が21日、開幕2戦目のアスレチックス戦(東京ドーム)後に東京都内のホテルで記者会見し、引退を表明した。日米通算4367安打(日本1278、米国3089)。一問一答は以下の通り。(4)

 -今年は菊池が同じマリナーズに、昨年はエンゼルスに大谷が入団。後輩たちに託したいこと、託すものはあるか

 まあ、(菊池)雄星のデビューの日に、僕はまあ、この日を迎えた、引退を迎えたっていうのは、何かいいなぁという風に思っていて。もう、ちゃんとやれよっていう思い、ですね。うーん。

 まあ短い時間でしたけれども、すごくいい子で。やっぱりね、あの、いろんな選手、見てきたんですけど、左ピッチャーの先発って、変わってる子が多いんですよ(場内:笑)。すごく。まあ、天才肌が多いっていう言い方もできるんですかね。アメリカでもまあ、まあ多いですよ。

 だからこんなにいい子、いるのかなっていう感じですよ。ここまで。今日まで。でもキャンプ地から、日本に、まあ飛行機で移動してくるわけですけど。まあチームは、ドレスコードですね。服装のルールが。まあ黒のセットアップ、ジャージのセットアップでOK、まあ長旅なので、できるだけ、まあ楽にという配慮ですけど。

 じゃあ雄星、俺たちどうする?って。アリゾナを発つときはいいんだけれども、日本に着いたときに、いや、さすがにジャージはダメだろ?って2人で話、してたんですよね。いや、そうですよね、イチローさんどうするんですか? と。僕はまあ、中はTシャツだけど、まあセットアップで、一応ジャケット着ているようにしようかなって。じゃあ僕もそうしようかなって、雄星が言うんですよ。

 で、キャンプ地を発つときの、バスの中で、まあみんなやっぱり、僕もそうでしたけど、僕も、黒の、ジャージのセットアップで、みんなバスに乗り込んできて。で、雄星と近かったので、席が。いや雄星、これやっぱ、ダメだよなあって。日本に着いたときに、これは、メジャーリーガー、これダメだろって。バスの中で、いやそうですよねって言ったら、まさかのアイツ、羽田着いたとき、黒のジャージでしたから(場内:笑)。

 いや、コイツ、大物だなと思って。いや、ぶったまげましたね。それは、本人にまだ聞いてないですけど、その真相は。何があったのか分からないですけど、やっぱ左ピッチャーは変わったやつ多いなと思った。でもそのスケール感は出てました。うん。頑張ってほしいです。

 まあ(大谷)翔平はもう、ちゃんとケガ、治して。スケールも…もう、物理的にも大きいわけですし。まあ、アメリカの選手に、サイズ的にも劣らない。あのサイズで、あの機敏な動きができるっていうのは、いないですからね、それだけで。いやもう、世界一の選手に、もう、ならなきゃいけないんですよ。うん。

-愛を貫いてきた野球の魅力とは。イチロー選手の引退で悲しんでいるファンは、これからイチロー選手がいないプロ野球をどう楽しんだらいいか

 最初なんでしたっけ? ああ野球の魅力ね。

 団体競技なんですけど、個人競技だっていうというところですかね。やっぱり野球の面白いところなんですね。チームが勝てば、それでいいかって言うと、全然そんなことないんですよね。個人としても結果を残さないと、まあ生きていくことはできないですよね。

 本来はチームとして勝っていれば、ねえ、チームとしてのクオリティーは高いはずなので、それでいいんじゃないかっていう考え方もできると思うんですけど。決してそうではない。まあ、その厳しさが面白いのかなっていう。まあ面白いっていうか、魅力であることは間違いないですね。後は、やっぱ、同じ瞬間がないということ。必ず、必ずどの瞬間も違うっていう。これ、飽きがこないですよね。うん。

 二つ目は、どうやって楽しんだらいいか、ですか。まあ、2001年に僕がまあ、アメリカに行ってから、この2019年、現在の野球は全く違う野球に、まあ、なりました。まあ、頭を使わなくても、できてしまう野球に、なりつつある、ような。まあそれは選手はみんな…選手も、現場にいる人たちはみんな感じているように思うんですけど、まあこれがどうやって変化していくのか。次のまあ5年、10年。しばらくはこの流れは止まらないと思うんですけど。

 まあ本来は野球っていうのは…いやダメだ、これ言うとまた、問題になりそうだな(場内:笑)。間違いないですね。頭、使わなきゃできない競技なんですよ、本来は。でも、そうじゃなくなってきているのが、どうも気持ち悪くて。ベースボール…まあ野球の発祥はアメリカですから。その野球が、そうなってきているということに、こう、危機感を持っている人って、結構いると思うんですよね。

 日本の野球がアメリカの野球に追従する必要なんて、全くなくて。やっぱり日本の野球は、頭を使う、面白い野球であってほしいなと思います。アメリカのこの流れは止まらないので。せめてやっぱり日本の野球は…決して、変わってはいけないこと、大切にしなくてはいけないことを、大切にしてほしいなと思います。

-2001年のメジャーデビュー戦もアスレチックス戦だった。ハドソンと対戦し、3打席凡退後、4打席目に初安打を放った。21日の試合でも、3打席凡退で迎えた第4打席、1年目の試合を思い出したことはあったか

 まああの、長い質問に対して大変失礼なんですけど、ないですね。はい。

-子どもの頃からのプロ野球選手になる夢をかなえ、成功し、今、何を得たと思うか

 まあ成功かどうかって、よく分からないですよね。じゃあどっからが成功でそうじゃないのかっていうのは、全く僕にはそれは、うん、判断はできない。まあ成功っていう言葉は、だから僕は、嫌いなんですけど。うん。

 まあ、メジャーリーグに挑戦する…どの世界でもそうですね、新しい世界に挑戦するっていうことは、大変な勇気だと思うんですけど。でも成功…まあ、ここはあえて成功と、あの、表現しますけれど。成功すると思うからやってみたい、それができないと思うから行かない、という判断基準では、まあ、後悔を生むだろうなと思います。やりたいなら、やってみればいい。できると思うから行く、挑戦するのではなくて、やりたいと思えば挑戦すればいい。

 そのときにどんな結果が出ようとも、後悔はないと思うんですよね。じゃあ自分なりの成功を勝ち取ったところで、じゃあ達成感があるのかと言ったら、それも疑問だと…僕には疑問なので。基本的には、やりたいと思ったことに向かっていきたいですよね。

 で、何を…うーん、まあ、こんなものかなあという感覚ですかね。うーん。いや、それは、200本もっと打ちたかったし、できると思ったし。1年目にチームは116勝して。その次の2年間も93勝して。いや、勝つのってそんなに難しいことじゃないって、その3年は思ってたんですけど、大変なことです。勝利するのは。この感覚を、得たことは大きいかもしれないですね。

-毎年、自主トレも行う神戸に、何か恩返ししたいという気持ちは

 神戸は特別な街です。僕にとって。恩返し、かぁ…。恩返しって何することなんですかね。まあ僕は選手として続けることでしか、何かそれができないんじゃないかなって、それができないんじゃないかなっていう風に、考えていたこともあって、できるだけ長く、その、現役を続けたい、と思っていたこともあるんですね。

 神戸、恩返し。うーん…。どうしたらいいだろな。税金を少しでも払えるように、頑張ります(場内:笑)。

-日米で活躍する選手はまず甲子園に出て活躍し、プロ野球で活躍し、メジャーに挑戦する流れがある。自身の経験を振り返って、もっとこんな制度であればメジャーに挑戦しやすかった、もしくは日本に残ってもっとやりたかったというような、育成制度も含めて、こういうことがあればいいなという考えは

 まあ制度に関して僕は詳しくないんですけど、でも日本で、その基礎をつくる、自分が将来、まあMLBでプレーする…(質問者がタイピングしており)聞いてらっしゃいます?

 MLBで将来、まあ、活躍するための、礎をつくるというような考え方であれば、その、まあ、できるだけ早くというのは分かりますけど、でもまあ、日本の野球で鍛えられることって、たくさんあるんですよね。ただまあ、制度だけに目を向けるっていうのは、まあフェアじゃないかなっていう風に思いますけどね。

-日本の野球で鍛えられたことは

 いや、そら、基本的なその、基礎の動きって、恐らく、メジャーリーグの選手より…どうですかねえ、日本だったら、中学生レベルの方が、うまい可能性だってありますよ。うん。それは、こう、チームとしての連係もあるじゃないですか。そんなの、言わなくたってできますからね、日本の野球では。こちら(米国)では、なかなかそこは。個人としてのポテンシャルは高いですけど、運動能力は高いですけど。まあ、そこには、かなり苦しみましたよね。まあ苦しんで、諦めましたよね。

 (5につづく)

=2019/03/22 西日本スポーツ=