ソフトB釜元、育成出身8年目で初安打 巡ってきたチャンスに即結果 「めちゃくちゃホッとした」

西日本スポーツ

3回無死、ロッテ・二木から左前打を放つ釜元 拡大

3回無死、ロッテ・二木から左前打を放つ釜元

6回無死、ロッテ・加藤の打球を好捕する釜元

 ◆ソフトバンク3-7ロッテ(6日・ヤフオクドーム)

 プロ8年目の最初の打席で、待望の一打が飛び出した。9番左翼でプロ初先発した釜元が3回無死、二木の5球目、内角高めの142キロ直球に食らいついた。打球は左翼手の前にポトリ。スコアボードに「H」マークをともした。プロ初安打。「何でもいいからバットに当たってくれ、と必死だった。めちゃくちゃ、ホッとした」。守備でも好プレーを見せた男は笑顔を見せた。

 この日の試合前、グラシアルがけがで出場選手登録を抹消され、釜元の出番が巡ってきた。チームには痛手でも、釜元にとってはこれ以上ないチャンス。「今のうちにアピールして、どんな形でも1軍に残り続けられるように」と鼻息は荒い。この日はフル出場。工藤監督も「初安打、よかったね」と目を細めており、今後のスタメン起用もありそうだ。

 正念場の年と強く認識している。2012年に育成ドラフト1位で入団し、15年に支配下登録された。2軍では2年連続で盗塁王に輝いたこともあったが、12球団屈指の外野陣の厚い壁に阻まれ、昨季まで1軍出場は9試合。「今年結果が出なければクビになると思っている。覚悟を持って臨んでいる」。今季はキャンプやオープン戦でアピールして初の開幕1軍を奪取。初安打につなげた。

 背番号「60」の前任者で4年続けて自主トレをともにする中村晃の存在が大きい。今オフ、「おまえは普通にやったら打てるんだから」と声を掛けられた。近年は戦力外の危機に常におびえていた。打席に立っても過剰な重圧を自らにかけ、1軍の舞台で力を発揮できずにいた。

 だからこそ先輩のひと言で救われた思いがした。試合後、戦線離脱中の中村晃から電話で「おめでとう。続けていけよ」と祝福と励ましを受けた。釜元は「晃さんが復帰した時に、少しでも(ポジションを)争えるような力をつけたい」と恩返しの活躍を誓った。

 9日に故郷長崎で日本ハム戦が開催される。「(初安打の)記念のボールは両親にあげます。いいお土産ができた」と喜ぶ。もちろん古里での試合も通過点。ようやく踏み出した一歩を無駄にはしない。 (長浜幸治)

=2019/04/07付 西日本スポーツ=