「王国」福岡3校出場も 高校バスケウインターカップ出場枠拡大へ 公立・直方にもチャンス

西日本スポーツ

3月、招待制の全国大会「KAZUCUP」の予選リーグ、日大東北に勝利し盛り上がる直方の選手たち 拡大

3月、招待制の全国大会「KAZUCUP」の予選リーグ、日大東北に勝利し盛り上がる直方の選手たち

日大東北と対戦する直方 日大東北戦でシュートを放つ直方の上村

 毎年冬に東京都内で開かれる高校バスケットボールの全国選手権大会「ウインターカップ(WC)」で、今年から“バスケ王国”の福岡県の男子が最大3校出場する可能性が出てきた。夏の全国総体「インターハイ(IH)」の参加校を現在の男女各59校から男子53校、女子51校に減らす一方で、WCの出場枠を男女各50校から60校に増やすもの。従来の(1)WC予選を勝ち抜いた都道府県代表校(2)IHの決勝進出校(3)開催地枠-に加え、IH予選後の九州大会など全国各ブロック大会の優勝県に割り当てられる見込みだ。2018年WC優勝の福岡第一や17年同準優勝の福岡大大濠が近年占めてきたWCのコートに立てるチャンスが生まれ、福岡県の3番手以降の学校は目の色を変えている。

 WCやIHほど大規模ではない。それでも知る人ぞ知る大会が3月下旬に都内であった。女子日本代表の指導経験もある中村和雄氏が「高校世代の強化の一環で」と2012年に立ち上げた招待制の全国大会「KAZU CUP」だ。今回は福岡第一や17年WC覇者の明成(宮城)、18年IH王者の開志国際(新潟)など全国16校が参加。そのうちの一つ、直方(福岡)は15年から出場しており、今年も予選リーグ、順位決定戦を含めて3日間で6試合を戦った。

 直方の部員数は17人。大半が地元の中学出身で、留学生も190センチクラスの大型選手もいない。180センチのフォワード、上村遥斗(3年)が最長身。「田舎の公立校が全国の強豪と同じ空気、会場で戦える機会はめったにない。滞在4日間で1人約7万5000円の旅費がかかるが、得るものは大きい」と、03年から率いる文野政憲監督(50)はうなずく。初出場の15年は八村塁(現ゴンザガ大)がいた明成と対戦した。また、練習法や戦術など指導者間の情報交換も有意義だという。

■全国大会で強化

 文野監督が明かす。「福岡を制するものは全国を制す、と生徒には話している。全国で最もレベルが高い地区で戦っている自負はある」。10年には全国総体初出場を果たすなど近年は県上位の力をキープしながらも、厳しい現実には変わりなく、昨年のWC県予選は準決勝で福岡第一に56-128で大敗。もう一つの準決勝は祐誠が福岡大大濠に65-109で敗れており、2強の壁は厚い。

 それだけにWCの枠拡大は朗報だ。「福岡は第一や大濠だけじゃない、というところを全国の舞台で見せたい。他力ではなく、あくまでも自力でつかむつもりで」と、フォワードの陣原一希主将(3年)は闘志満々。「KAZU CUP」では2勝4敗の11位に終わったが、ボールのハンドリングに優れたガード松尾大空(3年)のゲームメークと持ち味の堅守速攻で会場を沸かせた。「第一や大濠がいるから自分たちも成長できる。他県だったら代表のチャンスがあるかも、とは考えない」と文野監督は言い切る。男女5人制は日本の東京五輪出場が決まり、競技熱は高まるばかり。高校バスケの「王国」も熱く燃えている。 (西口憲一)

=2019/04/09付 西日本スポーツ=

PR

PR

注目のテーマ