B1福岡「複数企業が株取得名乗り」 リーグ退会回避へ奔走

西日本スポーツ

 ◆B1第34節 福岡71-80大阪(照葉積水ハウスアリーナ)

 経営難でバスケットボール男子、Bリーグ1部(B1)からの降格が決定した上、リーグ退会危機に陥っているライジングゼファー福岡の神田康範社長(38)が10日、本紙の取材に応じ、来季のB2参戦に必要な資金調達のため、株式の51%を2億円で売却するプランに複数の企業が名乗りを上げたことを明かした。B2ライセンスの正式取得には29日までに資金ショート回避のめどをリーグに示す必要がある。11日から株式売却へ本格的な交渉を開始する予定だ。チームは10日、福岡市の照葉積水ハウスアリーナでB1大阪と戦い、71-80で敗れた。

 クラブの先行きが不透明な中、福岡の選手たちは最後まで走りきった。9点差の惜敗。降格やリーグ退会危機への動揺を見せずにボールを追った。ナッシュ・ヘッドコーチ(HC)は「選手たちはプロの気持ちを忘れず戦った」とねぎらった。

 選手たちが経営危機を知ったのは9日夕。神田社長が選手を集めて経緯を説明した。福岡大大濠高出身でB3から2季連続昇格に貢献した小林大祐は「一睡もできなかった」と語るなど、ショックは大きかった。ただ、10日の試合前に神田社長とBリーグ関係者から状況説明を受けた後、山下泰弘主将は「ボランティアスタッフが会場を設営し、足を運んでくれるブースター(ファン)がいる。彼らのためにもプレーしないといけない」と結束を呼びかけた。第1クオーターは11点のビハインド。状況説明でウオーミングアップの時間が約30分減った影響は否定できない。それでも気持ちを切らずに集中した2~4クオーターだけ見ればスコアは上回った。

■来週絞り込みへ

 フロントもB2残留に必要な資金確保に向け、新たな動きにシフトしている。全体の51%にあたるクラブの株を2億円で売却するプランについて、神田社長は「4、5社から問い合わせがきており、双方の思いが合致すれば合意できそうな感触のところもある」と説明。具体的な企業名は明かさなかったが「福岡に本社がある企業や東証1部上場の大企業も名乗り出ている」とし、11日には東京で2社と本格的な交渉に入る予定。その後も交渉を進め、来週前半には売却先を絞り込みたい考えだ。ブースターからはクラウドファンディングで資金を集める意見も寄せられるなど、福岡で唯一のプロバスケットボールクラブ存続に向け、支援の声が届いている。

 B2に残っても大幅な予算減額は避けられず、選手の去就は不透明。それでも試合後、津山尚大が「どうなるか分からないが、ファンのため、福岡のために最後まで戦います」と誓うと、約2000人の観客から拍手が送られた。バスケ王国福岡の誇りにかけ、チームもフロントも奔走する。 (末継智章)

 ◆石谷聡(地元福岡のライジングゼファー福岡に計10シーズン在籍)「どういう形でも応援してくれる方がいる以上、頑張り続ける。戦う姿勢を失ってはいけない。チームがいい方向に向かえるように、それぞれがやるべきことをしていきたい」

   ◇    ◇

B1福岡の経緯

 福岡は昨季も約2億円の債務超過に陥った。その際は、昨季までのオーナー企業と昨年7月にクラブの株式を取得して新たにオーナー企業となったギョーザ製造販売業の「餃子(ぎょうざ)計画」(本社・大阪)が広告費として補填(ほてん)。債務超過を解消してB1ライセンスを取得したが、その後も収入不足をオーナー企業に穴埋めしてもらう体質を改善できなかった。

 最近になって同社からの支援が滞り、決算期の6月末までに必要な運転資金1億8000万円の不足が表面化。資金繰りの悪化を理由にB1ライセンスが取得できずに条件付きでのB2ライセンス交付が9日、決まった。29日までに資金確保のめどが立たなければB2参戦もかなわない。B3降格やリーグ退会の可能性もある。主要株主の了解を得て全体の51%にあたるクラブの株を2億円で売却して資金調達する方針を打ち出していた。

=2019/04/11付 西日本スポーツ=

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