頭脳的な投球と制球力が武器 進学校・福岡のエース左腕/注目の高校球児

西日本スポーツ

福岡の好投手轡水 拡大

福岡の好投手轡水

 九州の高校球児情報に精通したアマ野球ウオッチャー「トマスさん」が、丹念な取材でひそかにリストアップした好選手を紹介する「特命リポート」-。今回は福岡の轡水(ひすい)俊理(3年)をピックアップします。昨年8月の福岡地区新人大会でチームを優勝に導いたサウスポーは、県内屈指の進学校らしく頭脳的な投球が武器。目標は100年を超える歴史を持つ同校初の甲子園出場です。

■投手・3年

 どんなときも表情は変わらない。「孤高のエース」の風格すら漂わせる左腕が、福岡の轡水だ。3月の春季福岡大会2回戦では、昨夏に南福岡大会を制して甲子園に出場した沖学園と対戦。敗れはしたが、3-5の接戦を展開した。

 打線の援護になかなか恵まれない左腕というのは、福岡・北筑時代の今永昇太(DeNA)と重なる。ただ、球の出し入れ、投球術は轡水に分がある。打者の打てないコースを見つけると、ボール1個分の出し入れで粘り強く攻められる制球力も持つ。

 打ち気がないと判断すると、初球から緩い直球をど真ん中に投じる大胆さも魅力だ。直球も球速を変えて、同じ腕の振りから同じコースに3球続けて詰まらせる。ベンチでは捕手の森谷史人と対戦内容を「復習」。そのやりとりに基づいた配球もある。

 130キロ台前半の直球に横のスライダーを織り交ぜるスタイルで、現在は縦のカーブとチェンジアップを磨いている。今永のように打者の膝元に鋭く沈む球を手にできれば「鬼に金棒」だろう。さらにけん制やバント処理のうまさも武器だ。

 沖学園戦では、初回無死一塁でバントを猛然とダッシュして処理。振り向きざまの二塁送球で走者を刺した。5回2死満塁ではけん制で誘い出した一塁走者にタッチをかわされ、結果的に三重盗という“珍プレー”を許す一幕もあった。

 現時点のレベルでは、今季の開幕投手を務めた今永の高校時代の8割程度か。「(今永級の)スピードは追いかけていないよね」と問うと、すらすらと「(ソフトバンク、巨人で活躍した)杉内俊哉さんの楽そうに投げて伸びる直球が理想の球質。回転数にこだわっています」と話す。

 自分に最も合った投手像を「考えることができる」と笑う進学校のエースは、理想の球質を求めて中学時代から握力強化用のボールで指先の感覚も磨いてきた。高校最後の夏は「自分が引っ張っていくしかない」。目標は春夏通じて同校初となる甲子園出場だ。

 

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