ソフトバンク千賀、鬼門メットライフDで初白星 リーグトップ43K 工藤監督も絶賛

西日本スポーツ

8回1死一塁、西武・秋山を三振に仕留めガッツポーズの千賀 拡大

8回1死一塁、西武・秋山を三振に仕留めガッツポーズの千賀

今季初勝利を挙げた千賀 笑顔でナインを出迎える(左から)工藤監督と千賀、川島

 ◆西武0-2ソフトバンク(19日・メットライフドーム)

 連敗を千賀滉大投手(26)が止めた。試合前までリーグトップの打率を誇っていた西武打線を8回まで2安打に抑えて無失点。大幅に組み替えた打線でもぎ取った2点を森唯斗投手(27)と守りきり、千賀は今季4試合目で待望の初勝利だ。プロ入り以来、勝てなかったメットライフドームでも初白星。開幕投手の快投がチームを奮い立たせ、首位楽天とのゲーム差を0・5に縮めた。

■リーグトップ43K

 千賀に動じた様子は一切ない。金子侑に、この試合初の安打を許して迎えた2点リードの6回1死だ。秋山の遊ゴロを名手今宮が捕り損ねて、ピンチが広がり一、三塁。一打逆転の危機に陥ったが、今季の全対戦で三振を奪っている3番外崎はフォークで空振り三振に。さらに山川も初球フォークで詰まらせての右飛とし窮地を脱した。“伝家の宝刀”を駆使した堂々投球で、流れを渡さなかった。

 初安打を許した場面については「9回に打たれたら意識したかもしれないが普通でしたよ」。一方で味方のミスが絡んだ一、三塁のシーンは「スイッチを入れてゼロで抑えようと。意識しました」と振り返るなど、柱としての自覚がにじむ。8回を投げ被安打2の無失点、3試合連続の2桁奪三振で奪三振数43とリーグトップとなる快投。「やっと開幕したなと思う」。4試合目の今季初勝利はチームの連敗を「3」で止める大きな敵地での勝利だった。

 “鬼門”を克服する勝利だ。メットライフドームでの初星。昨季は3試合で3敗を喫し防御率も10・06と苦杯をなめた地。それだけに、ヒーローインタビューでは「ここでのヒーローは初めてなのでうれしいですね」と本音も漏れた。今季は自己最速の161キロに加え、自己最多の奪三振、最多の球数と、これまでの自身を超える投球を続ける。

 初めて開幕投手を任された昨年。開幕まで5日を切る中で千賀は訴えた。「投げられません」。直前のオープン戦を右上腕部の張りで緊急降板していた。大役を告げられたのは2月15日。「自分が何を言っているのか分かるか? 1カ月半、何をしてきたんだ」。首脳陣から、開幕投手としての責任を問いただされた。

 エースとして飛躍を期待され13勝は挙げた。ただ離脱もあり規定投球回には達せず、自身のふがいなさに悔しさを感じた。昨季の経験も糧に自覚が芽生えた今は、かつての振る舞いを省みる部分がある。「今なら、また違った対応ができたかも」。自分の意思をはっきり示してきたが、今は周りからどう見られるか、チームを背負う男として振る舞うようになった。

 そうした変化はマウンド上でも如実に表れている。「堂々といるように意識している。みんなに大丈夫と思ってもらえるように」と言い切る。甲斐も千賀の成長を感じ取る。「(白星のつかなかった)3試合も振る舞いは変わらなかった」と証言する。工藤監督も絶賛だ。「一回りも二回りも大きくなったと思う」。昨季までとは違う。心技体で著しい成長を見せる26歳が、日本シリーズ3連覇とリーグV奪還を狙うチームをけん引していく。 (山田孝人)

 ◆倉野投手コーチ

 「エースと呼べる投球だった。今まで千賀を見てきた中で一番。内容、球の質、集中力、全てにおいて頼もしく感じた。最大限の賛辞ですよ」

   ◇    ◇

パ奪三振数上位

(1)43 千賀滉大(ソ)
(2)27 有原航平(日)
    〃   山岡泰輔(オ)
(4)21 松井裕樹(楽)
    〃   上沢直之(日)

=2019/04/20付 西日本スポーツ=