防御率1位ソフトバンクの気になる課題/池田親興氏の開幕1カ月診断

西日本スポーツ

若手の活躍が目立つソフトバンク投手陣。(上段左から)高橋礼、大竹(下段左から)甲斐野、奥村、泉 拡大

若手の活躍が目立つソフトバンク投手陣。(上段左から)高橋礼、大竹(下段左から)甲斐野、奥村、泉

エースとしての自覚をうかがわせる千賀 今季4勝を挙げている高橋礼 若いブルペン陣をけん引する森 ルーキーながらも活躍を見せる甲斐野 ルーキーながらも活躍を見せる泉 ルーキーながらも活躍を見せる奥村 今季のパ・リーグチーム投手成績

 プロ野球が開幕して間もなく1カ月を迎える。3年連続日本一とリーグV奪還を狙うホークスは、首位楽天と0・5ゲーム差の2位。主力に故障者が続出する異常事態でも、若手やルーキーの活躍が光り、貯金4で上位に踏みとどまっている。ここまでの投手陣の戦いぶりを西日本スポーツ評論家の池田親興氏がチェックした。

 開幕から約1カ月。これほど故障者が出るとは想定していなかった。投手陣はやりくりも苦しい状況で踏ん張っている。開幕ローテで言えば、高橋礼の勝ちっぷりは見事。当初は自分の力で6番手をつかんだというより、彼をそこで使わざるを得なかった中で結果を出した。ただ、普通に投げているわけではない。投球モーションの中で、脚の上げ下げを工夫。早く上げたり、ゆっくり下ろしたりすることで、打者のタイミングを外している。投げる球だけではなく、投球フォームでも「緩急」を付ける能力の高さを披露している。

 千賀は勝利に恵まれていないが、内容はさすがだ。その投球から伝わるのは「エース」に近づくという覚悟と責任。メジャー挑戦の思いを口にしたり、キャンプ中から開幕投手への思いを語ったりした。自分自身に欲が出てきたこともあるだろう。それ以上にチームの中で自分の果たす役割を自覚したのではないか。長いイニングを投げる姿勢も周囲は感じている。気になるのが球数の多さ。球数を抑えるのは、1シーズン、ローテーションを守りきる上で、必要なことだ。三振が多いので仕方がないが、四球の多さは改善できる。簡単にはいかないが、どうすれば減らせるかをバッテリーで考えるべきだろう。

 同じことが投手陣全体に言える。四球はリーグで最も多い。必要な四球もあるのは分かっている。防御率はリーグトップで、四球が失点につながっているケースばかりではないが、無駄なものは少なからずある。自分たちでどう工夫すれば、球数、四球が減るかを考えてほしい。

 チームを支えるのは、森を中心とした救援陣。甲斐野をはじめ、泉や奥村といった新人の活躍が目立つ。能力が高いのは間違いないが、ルーキーに頼らざるを得なかった事情もある。実績のある救援陣の故障や不調で得たチャンスをしっかり生かした。

■若手続々…今季は面白い

 その経験の浅いブルペンを引っ張るのが森だ。サファテ不在だった昨季の経験が大きい。五十嵐、寺原といったベテランが移籍した中、背中と言葉の両方で救援陣をもり立てている。若手の奮闘は、彼の存在なくして実現しなかった。若手が今後ファームで調整する時期が来たとしても、この経験は生きるし、大きな財産になる。

 個人的に今年のソフトバンクは、見ていて非常に面白い。この苦境をどう踏ん張り、どう粘り、どう乗り切るか。次はどの若手が出てくるか。現場は大変だと思うが、わくわくさせられている。新人だけでなく周東や三森らの活躍は2軍、3軍の大きなモチベーションになるし、チーム全体の底上げと活性化につながる。平成から令和へ。チームも新時代にさしかかっていることが伝わってくる。

=2019/04/27 西日本スポーツ=

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