転入後に成長 目標40発の長距離砲/注目の高校球児

西日本スポーツ

強豪校もマークする存在となった希望が丘の藤岡 拡大

強豪校もマークする存在となった希望が丘の藤岡

 九州の高校球児情報に精通したアマ野球ウオッチャー「トマスさん」が、丹念な取材でリストアップした好選手を紹介する「特命リポート」-。今回は希望が丘の藤岡陸(3年)をピックアップします。1年冬に同校に転入したため、2年時は公式戦に出場できなかったものの、高校通算本塁打は既に23本。最後の夏を前に目標を同40本塁打に設定し、同校初の甲子園出場を見据える長距離砲です。

■三塁手・3年

 強豪校の取材から存在が浮上した。3月に西日本短大付のグラウンドで同校の西村慎太郎監督に練習試合の近況を聞くと「4番に本塁打を打たれて負けた」。飯塚の吉田幸彦監督からも「センターオーバーを打たれた」との証言を得た。

 その「4番」が藤岡だ。初観戦した3月16日の香椎工との練習試合(同校グラウンド)の第1打席で飛距離120メートルに迫る豪快な一発。希望が丘の石橋茂樹監督には「打ったら掲載したい」と伝えていたが、まさに「答え一発」だった。

 高校通算23本塁打の長距離砲。ただ、1年冬に他校から転入したため、高野連の参加者資格規定(転入学した日より満1カ年を経過したもの)により、2年時は公式戦に出場できなかった。道のりは平たんではなかったが、出場可能な練習試合で本塁打を量産した。

 希望が丘での成長には縁もあった。福岡福津ボーイズの先輩が同校に進学しており、転校先を選ぶ際に石橋監督に相談。「心機一転頑張ろう」という言葉に「もう一回野球ができる」と喜びをかみしめた。練習環境などの要因もかみ合い、飛距離にも磨きがかかった。

 今春の公式戦でも勢いは止まらない。春季福岡大会では直方との2回戦で左翼場外とバックスクリーンへ2発。センター狙いを基本としながら、しなやかなフォームから左右に長打を放つ姿は、福岡・自由ケ丘時代の武田健吾(現オリックス)をほうふつさせる。

 香椎工戦で放った3ランは、変化球が2球連続でボールとなり、直球狙いでの一発。第4打席は体を開かずに変化球をしぶとく捉え、逆方向への二塁打を放った。残り短くなった高校野球での目標は「(高校通算本塁打)40本」と即答。チームとしては「自分が打って勝ち、甲子園に出場することです」と力強い。

 卓球女子で活躍する早田ひなは高校の1学年先輩。「世界で活躍し、同じアスリートとして尊敬できる存在」。先輩と同じく世界での活躍を夢見る藤岡も、同じ福岡県人として「頑張って」と温かく送り出したくなる素直な好青年だった。

 ◆藤岡陸(ふじおか・りく)

 2001年11月9日生まれの17歳。福岡県宗像市出身。南郷小1年時に南郷NSクラブで軟式野球を始め、中央中では硬式の福岡福津ボーイズで捕手一筋。中3時に九州ブロック選抜で出場したボーイズリーグ鶴岡一人記念大会は1回戦敗退。高1冬に希望が丘に転入し、打撃を生かすために三塁手に転向。高校通算23本塁打。186センチ、80キロ。右投げ右打ち。

 ◆トマスさん 趣味のアマ野球観戦は年間約200試合に上り、そのうち高校野球が8割を占める。取材範囲は福岡を中心に九州一円に及び、豊富な情報量にはプロのスカウトや新聞記者も一目置く。1992年夏の西日本短大付が最後となっている福岡勢の甲子園制覇を願ってやまない。ペンネームの「トマス」はスパニッシュネームだとか。

=2019/04/30付 西日本スポーツ=