サッカー審判夫婦、夫はJ、妻は国際 仕事、育児、家事支え合い

西日本スポーツ

 ともにサッカーの審判員の資格を持ち、国内外のトップレベルの試合を裁く夫婦がいる。福岡県筑紫野市の緒方孝浩さん(34)と実央さん(32)。1級審判員の夫は主にJ3を担当し、妻は1月に国際サッカー連盟(FIFA)が認める国際審判員に選ばれた。

 実央さんは大分県日田市出身。日田高ではボートで全国総体の準優勝を2年連続で達成した。大分大に進み、地元のチームでサッカーを始めるとともに、2008年の大分国体の開催を機に要請を受けて審判を始めた。同じ時期に審判を務めていた孝浩さんと知り合い、12年に結婚した。

 当初、実央さんは「軽い気持ち」で始めたというが、担当した中学生の全国大会出場を懸けた予選で敗れた選手が悔し涙を流す姿を見て決意が固まった。「選手にとって思い出になる試合。きちんと取り組まないといけないと感じた」。仕事と並行してランニングなどで体力を強化し、技術向上も目指した。

 15年には長女智咲(ちさき)ちゃんが誕生。孝浩さんは、出産後に審判としての復帰を目指した実央さんを後押しし、家事や育児を分担した。孝浩さんは福岡県久留米市で団体職員、実央さんは福岡市の高校で保健体育の教諭として勤め、平日は仕事、週末はそれぞれの親に智咲ちゃんを預けるか、どちらかが面倒を見るなどして、全国各地でピッチを駆ける。

 なでしこリーグなどのジャッジが認められ、世界に舞台を広げた実央さん。2月にはオーストラリアであった国際親善試合で副審を務めた。日本サッカー協会によると、母親として子育てをしながら国際審判員を務める日本人女性は初めてという。「将来は女子ワールドカップ(W杯)のような舞台で審判ができれば」という目標を掲げる。23年開催予定の女子W杯には、日本が開催地として立候補している。

 孝浩さんは「夫婦で刺激し合い、支え合いながら、いつか娘に審判をしている姿を見せてあげたい」と話す。サッカーを通じ、家族で夢を追う日々はこれからも続く。 (松田達也)

=2019/05/03付 西日本スポーツ=

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