布巻パワーの源は福岡のうどん ラグビーW杯代表へみなぎる闘志

西日本スポーツ

■フランカー 東福岡高出身

 9月20日開幕のラグビーワールドカップ(W杯)日本大会に向け、日本代表のポジション争いが激しさを増している。バックロー陣(フランカーとナンバー8)のサバイバルレースでは、東福岡高出身のフランカー布巻峻介(パナソニック)が今季初実戦でトライを挙げるなど奮闘中だ。「ソウルフード」として福岡のうどんを愛してやまない26歳は、持ち味の球際の強さと強力タックルで生き残りに燃えている。

■「一歩一歩積み重ねていくだけ」

 今季初実戦で、短い出場時間でも存在感を示した。スーパーラグビー(SR)のハリケーンズ(ニュージーランド)下部チームと対戦した4月20日の強化試合。布巻は後半8分から途中出場し、密集でボールを奪い取る得意の「ジャッカル」や猛タックルを披露。終了間際にトライも決めて66-21の大勝に貢献した。

 すると翌週27日のウェスタンフォース(オーストラリア)との強化試合は先発出場を勝ち取り、51-38の勝利に貢献した。W杯開幕まで4カ月余り。けがや練習中の脳振とうなどで出遅れていたポジション争いで巻き返した格好だ。

 主将のリーチなど屈強な外国出身選手と競合するバックロー争いだけに苦しい立場は自覚する。「層が厚く、難しいとは思う。それでもW杯は特別。そこに懸ける思いは変わらない」。日本代表が世界を驚かせた前回15年W杯の南アフリカ戦。あの劇的な金星の衝撃が忘れられないからだ。

 4年前はパナソニック1年目の23歳。フル代表とは無縁だった。「それまで漠然とW杯に出たいという思いが、自分も出たいという強い気持ちに変わった」。4歳から楕円(だえん)球を追い、小学生時代には早くもSRの前身である「スーパー12」にテレビの前にかじりついて熱中したラガーマンの血が騒いだ。

 強い覚悟が、練習姿勢やプレーを変え、未来をも変えた。16年秋に初のフル代表入り。178センチ、98キロと世界標準からは小さいが「でかい相手をぶっ壊すくらいの気持ち」という気迫を前面に出した激しいプレーで、ウェールズやイングランドの屈強な大男をなぎ倒し、評価を上げた。

 10代の頃から有名だった。バックスだった東福岡高時代に「超高校級」と騒がれ、全国大会「花園」の連覇をけん引した。自らの土台を形づくったのは福岡。その思いは強い。「いい指導者に恵まれた。食べ物もやはり福岡、パワーの源はうどんでした(笑)。『牧のうどん』なら肉入り。『資さんうどん』ならもつ鍋うどん。帰省したら絶対に食べる」。無口で一見こわもてに見える男に柔和な笑みが浮かんだ。

 強化試合は、オーストラリアで行われる残り2試合。そのメンバーに選ばれた。「一歩、一歩積み重ねていくだけ」。短い言葉に闘志がみなぎった。 (大窪正一)

◆布巻峻介(ぬのまき・しゅんすけ)

 1992年7月13日生まれ。福岡県志免町出身。ラグビー選手だった父や兄の影響で4歳から福岡市の「かしいヤングラガーズ」でラグビーを始める。東福岡高1年から全国高校ラグビー大会でSOやCTBとして活躍し、2、3年時にはチームの連覇に貢献した。早大3年時にフランカーに転向。卒業後はパナソニック入り。高校、U-20(20歳以下)など各年代の日本代表に選ばれ、フル代表のキャップ数は7。178センチ、98キロ。

=2019/05/09付 西日本スポーツ=

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