連日満員タカガールデー「ダサい」が出発点

西日本スポーツ

7回の攻撃を前に舞い上がるピンク色のジェット風船 拡大

7回の攻撃を前に舞い上がるピンク色のジェット風船

 ソフトバンクは11、12日のロッテ戦(ヤフオクドーム)を女性ファン向けイベント「タカガールデー」として開催した。観衆は2試合とも満員の4万178人。球団によると、そのうち女性来場者は11日が3万950人、12日が3万312人で、全体の76・2%を占めた。

 この「タカガールデー」、もとは地元ローカル局とのタイアップで2006年に「女子高生デー」としてスタート。ピンクを基調に、年ごとにデザインした「タカガールユニホーム」を女性来場者に配布してきた。14年から現名称「タカガールデー」となる。

 かねて年1試合のイベントだったが、昨季2試合に増やした。今年は福岡での2試合の前に、初めて東京でも1試合開催。16年に「タカガール」のプロジェクトチームを発足させ、イベント日に限らずソフトバンクを応援する女性ファン=「タカガール」の浸透を図り、グッズ開発なども行ってきた。

 プロジェクトチームを主導するマーケティング・コミュニケーション部の野田直子主任は「野球に詳しくなくても『行ってみてもいいかな』と思ってもらえれば。福岡では野球観戦がレジャーの一つとして、女子会の選択肢に入れてもらえたらいい」と語る。

 球団がダイエーからソフトバンクに譲渡され、初年度05年に調べると、球場来場者の男女比は半々だったという。つまり、もともと女性ユーザーは少なくなかった。もっとも、当時からスマートフォンの普及でコンテンツが増えて消費行動が多様化する、漠とした危機感はあった。

 人気アパレルブランドとコラボしたユニホーム企画などもあり、女性ファンの割合は堅調に推移していたが、「タカガール」の出足は鈍かった。プロジェクト1年目を終えた16年のオフ、野球ファンに限らず一般女性を対象に「タカガール」のイメージ調査を行うと「ダサい」という声が多かったという。

 野球ファンの声を見ても、コア層からは「チャラチャラしてる」、一方でライト層からは「そこまで熱くなれない」と評され、中途半端な立ち位置にあった。球団が推す「タカガール」は、なりたい存在にはなっていなかった。

 イメージアップを図り、翌年からファッション誌を意識してビジュアル展開。福岡市内の主要な商業施設で、限定ユニホームとのコーディネートを提案してもらった。ユニホーム選定にあたっての社内批評では、専門的な判断基準を努めて排除したという。あくまで一般的な直感を求めて「ダサい」「ない」「ひどい」と、歯に衣(きぬ)着せぬ意見で案を絞り込んだ。

 意識調査の結果は変わってきた。17年はタカガールの存在を「知らない」が過半数だったが、今年は6割超が認知。17年と19年の比較では「かわいい」イメージが40%未満から50%超に上がり、逆に「ホークス好き」のイメージは50%近かったのが、40%を切ったという。オシャレで、競技知識を問わない-「タカガール」のイメージ戦略は、おおむね球団の狙い通りに進んでいることになる。

 昨季ヤフオクドームで実施した2試合も満員だったが、女性来場者の割合は昨季の72・6%から上がっている。広報室の井上勲室長は「一昔前のように、一家に1台のテレビに、必ず野球が流れている時代ではない」と話し「いろいろな消費の仕方、楽しみ方があるが、敷居を下げ、とにかく野球コンテンツをお試しいただく。そういう活動を広げていくことでしか生き残れないのでは」と課題認識を述べた。

=2019/05/13 西日本スポーツ=