「ええっ?」母が仰天したデビュー戦の涙【バドミントン広田彩花の素顔】

西日本スポーツ

2004年に全九州小学生選手権大会4年生女子シングルスで準優勝した広田(家族提供) 拡大

2004年に全九州小学生選手権大会4年生女子シングルスで準優勝した広田(家族提供)

玉名女子高3年時の九州大会女子シングルス決勝でプレーする広田 玉名女子高時代の広田 彩花について思い出を語る母総子(右)。左は父卓也 安定感が光る福島(下)、広田組 昨年12月の全日本総合選手権決勝で高橋、松友組を破って優勝した福島(左)、広田組 広田彩花のタイムライン

 東京五輪のバドミントン女子ダブルスでメダルの期待がかかるのが2017、18年と2年続けて世界選手権で銀メダルに輝いた熊本県出身コンビの「フクヒロ」こと福島由紀(26)、広田彩花(24)組(アメリカンベイプ岐阜)だ。菊水町(現和水町)出身の広田の母総子(ふさこ)(54)は華やかに夜空を彩る花火から娘を「彩花」と命名。母は、厳しい代表争いを勝ち抜き、五輪で満開の花を咲かせる瞬間を願っている。(文中敬称略)

■花火の夜に生まれた子

 菊水町は熊本の「夏の三大火祭り」と言われる「古墳祭」で活気にあふれていた。そんな1994年8月1日の夜、総子は第3子を出産。3400グラムの女の子だった。

 総子「花火が上がり始めたころに陣痛がきて、夜10時ごろに生まれた。だから花火をイメージして、彩りの花、彩花(さやか)と名付けた」

 総子と夫の卓也(54)は菊水中バドミントン部のチームメート。社会人になってから地元で「菊水クラブ」というチームをつくって趣味でシャトルを打っていた。地元には小学生男子が所属できるバドミントンチームがなかったため、息子2人が試合に出られるよう「菊水ジュニア」を設立。彩花も自然とラケットを握り、5歳から本格的に練習を始めた。

 総子「週4回、地元の町民体育館で練習。子どもも50人ぐらいに増えた。基本的には楽しくやるのがモットーだけど、他のチームの練習を見たり、話を聞いたりしてどうやったら強くなるか試行錯誤した。娘には基本的な動きぐらいしか教えなかった。『小学1年になったら試合に出られるよ』、と乗せて」

 親の予想を超え、彩花は小学1年で臨んだデビュー戦から素質の片りんを見せつけた。

 総子「地元の郡市大会で4年生以下の部に出たらいきなり準優勝。決勝は4年生の子に負けたけど、泣きだした。『ええっ、あなたまだ1年生でしょう!?』と。自分の気持ちを出す活発さはなく、家でおとなしくしている子。負けた悔しさを見せたことに驚いた」

 その後も彩花は普段からおとなしく、口数が少ない。だからバドミントンを好きかどうか、総子は判断しかねていた。その分、時折見せる悔し涙が印象的だった。

 総子「小学4年生で初めて熊本県の代表として全九州小学生選手権大会に出場。決勝で鹿児島の4年生に敗れた。試合が終わっても、彩花がしばらく私たちのところに戻ってこない。トイレに行っていたみたいで、泣いていたみたい。同学年の子に負けたのはこれが初めてで、よほど悔しかったのかな」

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