川畑瞳 北京「金」上野に憧れ夢舞台へ ソフトボール 23歳、デンソー

西日本スポーツ

日本代表でも中心選手として期待されるデンソーの川畑。二の腕が誇らしげだ 拡大

日本代表でも中心選手として期待されるデンソーの川畑。二の腕が誇らしげだ

昨季二塁手のベストナイン賞に輝いたデンソーの川畑

 2020年東京五輪で3大会ぶりに実施されるソフトボールで、08年北京五輪以来の金メダル獲得を狙う女子日本代表の準備が本格化してきた。エース上野由岐子(36)=ビックカメラ高崎、福岡市出身=を下顎骨骨折で欠きながら制した5月上旬のアジア・カップ(ジャカルタ)で、宇津木麗華監督(55)は予選を含む全7試合で川畑瞳(23)=デンソー、鹿児島市出身=を二塁で先発起用。今春の日本リーグで上野から初本塁打を放つなど進化した打力で代表でのレギュラー定着をアピール中だ。

■自信深めたアジア杯

 輝いているのは名前の「瞳」だけではない。川畑が絶好調のバットで代表での主力定着へ、道を切り開いている。速くて重い男子部員の球を打ち込んで臨んだ4月27日のビックカメラ高崎戦ではリーグ戦通算11本目の本塁打。上野からは初のオーバーフェンスだった。

 「憧れだし、世界一の投手から打てて素直にうれしい」。70キロのバーベルを持ち上げるパワー。内角の直球に力負けせず、右越えの一発とした。さらに自信を深めたのがアジア・カップだ。令和に改元された5月1日のタイ戦。異国で年を一つ重ねた川畑は、センターへ満塁本塁打を放った。

 欲しかったのはバースデープレゼントではなく、東京五輪につなげるための「結果」だという。日本代表が準優勝に終わった昨夏の世界選手権。1点差で敗れた米国との2試合(準決勝、決勝)は代打や代走に甘んじた。「結果しか求められていない」。勝負の5年目。リーグ戦での高打率(第4節=第1節とは別に開幕節がある=時点で3割6分)を買われ、アジア・カップでは主に3番や5番を任された。

■上野から初の本塁打

 「川畑の5番は、大会の途中から4番にした山田恵里(日立)の出塁率が高く、点を多く取るためのポイントになると考えたから。一つの選択肢になった」。6月22日に開幕する日米対抗や8月30日開幕のジャパンカップを見据えて複数のオーダーを思案中の宇津木監督は、収穫を口にした。

 2008年8月。当時小学6年生だった川畑は北京五輪で日本を初の金メダルに導いた上野の熱投に、テレビの前でくぎ付けになった。12年ロンドン五輪で実施競技から除外されることを知らなかった母のさつきさん(55)は、娘にこう言い聞かせた。「瞳が頑張っていれば、きっと上野さんと一緒に五輪に出られるから。夢じゃないよ」‐。あれから11年。母の言葉はまさに現実となりつつある。

 「あの時は『格好いいな』と思いながら、上野さんを応援していた。誰もが行ける場所じゃない。今の時点で東京の次はないわけだし、五輪は特別以上のもの」。ジャカルタから帰国してからのリーグ戦。左翼への安打性のライナーを相手外野手に好捕される場面があった。警戒され、守備シフトを敷かれることは、さらなる高みへの“登竜門”でもある。「乗り越えていかないと」。現状に満足しないソフト娘は拳をギュッと握りしめた。 (西口憲一)

PR

PR

注目のテーマ