レスリング入江ゆき福岡で復活、世界切符射程 13日から全日本選抜

西日本スポーツ

 福岡から世界へ‐。レスリング女子50キロ級で昨夏のアジア大会銀メダルの入江ゆき(26)=自衛隊=が、初の世界選手権代表へ調子を上げている。昨夏から母校の小倉商高(北九州市)に定期的に戻って汗を流し、スランプから脱出。昨年末の全日本選手権で優勝し、4月下旬のアジア選手権(中国)も制した。13日に東京・駒沢体育館で開幕する全日本選抜選手権(明治杯)も優勝すれば世界選手権(9月・カザフスタン)の代表が決まり、そこでメダルを獲得すれば2020年東京五輪代表が内定する。地元福岡の期待を背負い、大舞台へ駆け上がる。

■小倉商高で練習

 ネガティブだった1年前とは違う。「明治杯はこれまで結果が出ていないけど、今回は楽しみ」。勝てば世界選手権の代表が決まる大一番を前に、入江は自信にあふれている。

 昨年の明治杯も同じ状況だったが、決勝で須崎優衣(早大)に1‐4で惜敗。プレーオフでも須崎に4‐6で敗れ、世界選手権代表を逃した。「ここ3年ぐらい、納得のいく練習ができず、タックルへ行くタイミングが悪くなっていた。プレーオフで負けた後は(気持ちが)ボロボロだった」。覇気を欠いたまま臨んだアジア大会も決勝で涙をのんだ。

 転機は同大会後。所属する自衛隊の了解を得て、毎月2週間ほど母校の小倉商高で練習するようにした。「自分で考えてもだめだと思って。場所も環境も一回戻してリセットしたかった」。7歳から九共大を卒業した2015年まで師事した同校の辻栄樹監督(47)にフォームを見てもらい、妹のななみ(24)とくみ(21)と一緒にタックルの動作を確認する練習などを繰り返した。

 「小さいころからやってきた練習なので、体に染みこみやすかった。相手の動きを見てタックルに行く余裕が出た」。気持ちも晴れて迎えた4月のアジア選手権決勝はリオデジャネイロ五輪銅メダルの中国選手に6‐4で勝利。辻監督は「申し分のない内容。(母校で練習するという)『日常』に戻って明るくなり、何の心配もなくなった」と復活を保証した。

■アジア王者奪取

 50キロ級は17、18年の世界選手権を連覇(17年は48キロ級)した須崎やリオデジャネイロ五輪48キロ級金メダルの登坂絵莉(東新住建)がいる激戦区。2人に世界への道を阻まれてきた入江は「自分の成長にとって必要だったと思える」と感謝する。

 世界選手権でメダルを取れば五輪代表に内定する。「以前は周りから五輪を期待されても実感がなかったけど、今は五輪に出るものとして練習している」。ポジティブになったファイターが、世界女王2人から五輪切符を勝ち取る。 (末継智章)

◆入江ゆき(いりえ・ゆき)

 1992年9月17日生まれ。北九州市出身。同市の横代小2年のときに北九州レスリングクラブで競技を始める。横代中3年時の全国中学生選手権女子46キロ級で優勝。小倉商高2、3年時に全国高校女子選手権で2連覇(2年は46キロ級、3年は49キロ級)。九共大では全日本学生選手権女子48キロ級を4連覇した。全日本選手権は2015(同級)、17、18年(50キロ級)に優勝。152センチ。

   ◇    ◇

■三姉妹で代表目指す 次女ななみ、三女くみも出場

 明治杯には次女のななみ(福井県スポーツ協会)も53キロ級で、三女のくみ(九共大)は62キロ級で出場する予定だ。2人とも昨年末の全日本選手権は準優勝(くみは59キロ級に出場)。明治杯に勝ち、同選手権覇者や世界選手権メダリストとのプレーオフにも勝てば同選手権代表に選ばれる。ななみが出場する53キロ級は昨年の同選手権55キロ級を制した向田真優(至学館大)や53キロ級金メダルの奥野春菜(同)がいる激戦区だが「絶対に優勝して3人で五輪に出る」。1階級上の五輪階級で同選手権62キロ級銀メダルの川井友香子(同)に挑むくみも「勝つという気持ちがあれば勝てる」と意気込んだ。

PR

スポーツ アクセスランキング

PR

注目のテーマ