ソフトバンク和田、復活投5回2失点 581日ぶり勇姿

西日本スポーツ

1回の投球前、マウンドに手を置く和田 拡大

1回の投球前、マウンドに手を置く和田

5回1死一、三塁、中日・高橋の一直を処理した内川に笑顔を見せる和田 屋根を開いて行われた中日との交流戦

 ◆ソフトバンク5-2中日(5日・ヤフオクドーム)

 頼もしいベテラン左腕が帰ってきた! 和田毅投手(38)が一昨年11月1日の日本シリーズ第4戦(横浜)以来、581日ぶりの1軍マウンドに立った。今季初登板は5回2失点で、自身にこそ勝ち星は付かなかったが、チームに連勝を、2年目右腕の椎野にプロ初勝利を呼んだ。打線は野手最年長の内川に松田宣、デスパイネ、グラシアルと30歳超の「おっさんず」が一発攻勢。ソフトバンクは12球団で唯一交流戦開幕連勝を飾り、2位浮上だ。

■「1軍っていいな」

 最後は力を出し切った。同点の5回2死一、三塁、前の打席で一発を浴びたビシエドが和田に立ちはだかった。ここで一呼吸入れるため、倉野投手コーチがマウンドへ。2回に本塁打を放った内川、松田宣といったなじみの顔も集まった。耳に入る大声援。「全力でいった」。1軍の感覚を呼び起こした左腕は、内角高め138キロで左飛を打たせてしのいだ。5回を78球で2失点。白星こそ逃したが、すがすがしさがあった。

 「やっぱり1軍っていいな。これだけのファンの前でできて。ここに戻るためにリハビリしてきたんだなと。初めての感じだった」

 この日の福岡は日米通算131勝左腕の復帰を祝うような快晴に恵まれた。前夜は悪天候のため閉まっていた屋根もオープン。試合前から、待ちわびたファンの歓声が湧いた。シートノック中、グラウンドに姿を現した和田は「おかえり」の拍手で迎えられた。左肩の故障でリハビリに励んだ背番号21にとって、2017年11月1日のDeNAとの日本シリーズ第4戦(横浜)以来、581日ぶりの1軍マウンド。プレートにそっと手を置きスイッチを入れた。

 開幕から若手が台頭する中、プロ17年目のベテランもなりふり構わず白星を求めた。1、2回はプレートの一塁側を踏んだが、2巡目となった3回以降は三塁側を使った。序盤は最速144キロの直球を軸にした投球を見せたが、空振りを奪えずに球数がかさみ「力みがあった」と、試合途中にモデルチェンジ。3回以降はツーシームを生かし、打たせる投球に切り替えた。

 5月28日、タマスタ筑後で右肩炎症から復帰を目指す同世代の中日松坂が登板。かつての剛腕ではなく、変化球を駆使して打ち取る右腕の姿があった。「チェンジして何とか抑えようとしていて、とても励みになる、勇気をもらえる投球だった」。今季初登板で2回を完全に抑えた“戦友”が、スタイル変更を後押し。翌29日の復帰前の最終登板で、従来とは違うプレートの三塁側を使う方法を試し7回無失点に抑え「引き出し」を増やしていた。

 開幕からの疲労が出始める中、バンデンハークに続く「実績組」の復帰は頼もしい。「彼にとっては非常に大きな一歩だと思います。また、彼の小気味良い投球を見たいなと思う」。工藤監督も見ほれる投球だった。ベテランの活躍で勢いづいたチームは、12球団唯一の交流戦連勝発進。「新しい投球スタイルができる部分があった。2年前を求めても駄目。今できることを一生懸命に」。少し遅い“開幕”を迎えた左腕が、新たな戦力になる。 (鎌田真一郎)

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