ラグビー日本代表候補 九州ゆかり9選手の「立ち位置」や生き残りの鍵

西日本スポーツ

 アジア初開催となる9月20日開幕のラグビーワールドカップ(W杯)まで100日余り。日本代表候補は約60人から42人に絞り込まれ、9日から宮崎市で強化合宿がスタートする。W杯の最終登録メンバーは31人。これから始まる激しいポジション争いを前に、9人が選ばれた九州ゆかりの選手の「立ち位置」や生き残りの鍵を点検した。 (大窪正一)

◇FW

 右プロップに大分・日本文理大付高出身の具智元(ホンダ)と、大分・由布高出身の木津悠輔(トヨタ自動車)が選ばれた。右プロップは、組み合うと頭の両側を相手に挟まれて両肩に相手の体重がのしかかる。体重が重く「支柱」となれるスクラムの強さが大前提のポジションだ。

 その点で一歩リードするのが具だ。183センチ、122キロの世界標準の体格に元韓国代表のプロップだった父親譲りのスクラムの強さは国際大会で証明済み。タックルも激しく、ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)の信頼も厚いが気掛かりなのが故障の多さ。体調管理が課題だろう。

 23歳の木津は若手の成長株。ジョセフHCも「将来有望。激しく、機動力もあり、非常に期待している」と絶賛する。具や、経験豊富な代表51キャップの山下(神戸製鋼)を追う。高校からラグビーを始めた経験の浅さを踏まえれば、爆発的な成長も見込める。

 ロックには宗像サニックスのジェームス・ムーアが入った。オーストラリア出身ながら、もともとは13人制中心。21歳で15人制に転向した。豊富な運動量とタックルの強さが武器。スーパーラグビー(SR)の日本チーム、サンウルブズでアピールに成功した。実績では6人選ばれたロックの中で劣るが、38歳のトンプソン(近鉄)も選ばれるなど層は薄く、チャンスはある。

 主将のリーチ(東芝)など屈強な外国出身選手と競合する激戦のフランカー枠に食い込んだのが、東福岡高出身の布巻峻介(パナソニック)だ。けがや練習中の脳振とうなどで出遅れたが、今季初実戦だった4月20日のSRハリケーンズ(ニュージーランド)下部チームとの強化試合で後半から途中出場しトライを挙げた。その後の強化試合3戦に全て先発出場。密集でボールを奪い取る得意の「ジャッカル」や猛タックルで存在感を示し、プレースタイルの似た松橋(リコー)や西川(サントリー)に競り勝った。厳しい立場なのは変わらないが、恥骨炎で状態が上がらないリーチの動向や同じ第3列で連係するナンバー8との兼ね合いも影響しそうだ。チーム方針への柔軟な適応力も鍵になる。

 ナンバー8には宗像サニックスのラーボニ・ウォーレンボスアヤコが名を連ねた。サンウルブズではその突破力を買われてCTBでも起用されて結果を残した。ジョセフHCが重視する複数ポジションをこなせる力を持つだけに「重宝さ」をアピールできればチャンスはある。

◇バックス

 SHで選ばれた熊本・荒尾高(現岱志高)出身の流大(サントリー)は順当。テンポのいい球さばきと統率力に優れ、首脳陣の信頼は厚く、強化試合全6試合で先発出場した。本番でも対戦相手の戦術などによって前回大会で活躍した経験豊富な田中(キヤノン)との併用が想定される。

 WTBで選ばれた福岡高出身の福岡堅樹(パナソニック)はスピード、突破力、防御力など総合的に抜けた存在。ジョセフHCは「特殊能力」を高く評価する。福岡を軸にしたサインプレーも導入されており、故障がない限り、外れることは考えられない。現役引退後は医師の道を目指す異色のトライゲッターは、エースとして奮迅の活躍が期待されている。

 CTBはコカ・コーラのウィリアム・トゥポウと鹿児島実高出身の中村亮土(サントリー)が入った。トゥポウは188センチ、101キロとFW並みの体格を生かした突破力とタックルが強み。空中戦にも強く、FBでも起用されるなど複数ポジションをこなせるのも強みだ。バックスの軸の一人となる可能性は高い。

 昨秋のイングランド戦でトライを奪った中村は株を上げた一人。今季序盤のサンウルブズでのプレーが評価され、主力組の日本代表候補合宿に招集された。キックが正確で、体も強い。パワーあふれる外国出身選手の多いポジションだけに、防御面でのライン統率力などきめ細かな面でもアピールしたい。

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