J3北九州が脱引きこもりアシスト 運動、試合観戦、会場清掃

西日本新聞

 J3ギラヴァンツ北九州は、引きこもりの人を対象にサッカーを通じた支援活動を続けている。Jリーグのクラブで唯一の取り組みで、北九州市ひきこもり地域支援センター「すてっぷ」などと連携、今年からは対象を不登校の小中高校生にも広げた。体を動かしたり、人と触れ合ったりすることで「今の自分でいい」という自己肯定感が高まり、これまでに約半数の人が社会復帰への意欲を示したという。

 「どんどん失敗しよう。成功よりも失敗で脳は活性化するよ」‐。同市のギラヴァンツのホームスタジアムで5月、スクールコーチの武藤克宏さん(46)は小中高校生10人と一緒に音楽に合わせてステップを踏み、明るく声を掛けた。10人は全員不登校の子どもたち。約1時間のプログラム中、笑い声が絶えなかった。

 クラブは2017年、スタッフが「すてっぷ」の関係者と知り合いだった縁で、引きこもりの人への支援を開始。スクールコーチの指導による運動、試合観戦、スタジアムでの清掃ボランティアなどで徐々に外の世界との接点を広げ、社会に出ることを後押しする。

 「すてっぷ」の和田修センター長は「運動でコミュニケーションを取り、観戦で感情を自由に表現する。ボランティアでは社会から必要とされている感覚を醸成できる」と説明する。

 ギラヴァンツの支援プログラムには17、18年の2年間で、18歳以上の延べ208人が参加。18年の参加者へのアンケートでは、半数以上が「アルバイト」や「スポーツ」など社会復帰への意欲を示し、実際にアルバイトをするようになった参加者もいるという。

 和田センター長は、川崎市の殺傷事件などが契機となった「引きこもりは危険」とのイメージの独り歩きは「当事者の社会復帰への意欲を阻害する」と懸念。クラブの担当者は「引きこもりの問題を親が一人で抱え込まず、気軽にプログラムを利用してほしい」と呼び掛けている。

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