五郎丸歩、ラグビーW杯認知度アップへトライ 日本大会まで100日

西日本スポーツ

 9月20日開幕のラグビーワールドカップ(W杯)日本大会まで12日であと100日となった。2015年W杯で南アフリカ戦勝利の立役者となり、「五郎丸ポーズ」で時の人となった福岡市出身のFB五郎丸歩(33)=ヤマハ発動機=は抜群の知名度を生かし、W杯の認知度アップへ発信を続けている。現役選手ながら、全国各地のラグビー教室に参加するだけでなく、NHKのW杯ナビゲーターに就任したり、柔道など他競技や他分野とコラボしたり。活動の幅を広げ、ラグビーに関心がなかった人々に“トライ”する狙いを本紙に語った。 (聞き手・構成 大窪正一)

■前回経験大きい

 ‐ラグビー以外の場にも積極的に顔を出している。2月には福岡県太宰府市の九州国立博物館で異色といえるトークショーも行った。

 「ラグビーの良さやスポーツの良さに触れたことがない方に伝えていく役割があると思っている。スタジアムから外に出ていかに発信できるかが勝負。これからあと100日あるのでしっかりアピールしたい」

 ‐柔道男子日本代表の井上康生監督らと発起人となり、3月に「キッズスポーツキャンプin湘南」も実施した。小学生約100人が1泊2日でラグビーと柔道を交互に経験した。

 「ラグビーW杯の翌年は東京五輪・パラリンピック、その翌年にはワールドマスターズゲームズもある。世界的ビッグイベントが日本に立て続けにやってくる。ラグビーの良さを知ってほしい半面、スポーツという大きな枠組みで素晴らしさを伝えていければと、共通認識が井上さんと合った」

 ‐井上監督と交流するきっかけは。

 「昔からスポーツ選手として一番憧れていたので僕から雑誌で対談をしてもらったことがスタート。井上さんは競技者としての強さはもちろん、人としての器の大きさなど一つ一つが勉強になる」

 ‐今後の展開は。

 「毎年1回はやっていきたい。井上さんとは『他競技の人が入ってくれるとまた面白いことができる』と常々話している。井上さんは五輪もあるので厳しいかもしれないが、できる範囲でやりたい」

 ‐こうした活動を決意した原点は?

 「やはり(ラグビーの母国イングランドで開催された)前回W杯の経験が大きい。スポーツ文化が発達した国に感銘を受けた。イベントを一発で終わらせずに、みんなに受け入れられていく文化というのが、アジアや日本で発展していけばいいし、そのリーダーに日本がなるべきだと思う。W杯や五輪を機に長いスパンで何を残していくかが大事」

 ‐欧州では地域クラブなどで多様なスポーツを経験する環境がある。

 「幼少期から多くのスポーツを体験できる場が日本にはまだ少ないので、そういう形を一つつくりたい。日本は世界的ビッグイベントが控え、大きくスポーツが変わる分岐点だと思う」

■考え方も環境も

 ‐自身はほぼラグビー一筋。

 「一つを極めることも素晴らしいが、スポーツに限らず、人生は他にもいろんなことがある。幅広い経験を積むことで人として大きくなれる。海外を経験したことが大きかった。フランスリーグのトゥーロンに所属したが、世界のトップ選手がそろうサッカーでいえばレアルマドリードみたいなところ。競技力はもちろん、多様性とか非常に感銘を受けた」

 ‐多様性でいえば、ラグビーW杯は国籍がない国の代表にもなれる。今回の日本代表候補にも外国出身選手は多い。

 「僕が日本代表に入った時、外国人と一緒のチームメートになって、彼らの考え方や生活リズムは面白いと思った。彼らは彼らで日本人に近づこうとしている。お互いがお互いを認めながらチームになっていく。そういう面白さは代表に含まれている。日本人だけじゃない、考え方も育った環境も違う選手が一つになって日本のために頑張る」

 ‐前回W杯の南アフリカ戦後、自身のツイッターで「ラグビーが注目されてる今だからこそ日本代表にいる外国人選手にもスポットを」などと外国人選手へ注目してほしいと訴えた。

 「代表に外国人が多く、代表に入った当初はすごくネガティブな感情もあった。この代表で戦う意味があるのかとずっと自問自答していた。やはりあそこの結果が出た時に心の底から認め合えたのかなと思います」

 ‐日本社会も外国人が増えている。ラグビーのW杯が多様な社会への認識を深める契機の一つになるのでは?

 「ラグビーは多様性が非常にある。日本で認知度の高い五輪やサッカーのW杯は日本国籍を持っていないと日本代表になれない。その面白さはあるし、それを否定することはないが、スポーツとは何かを考えてもらう機会になれば意義がある」

PR

ラグビー アクセスランキング

PR

注目のテーマ

福岡ソフトバンクホークス アクセスランキング