強肩強打の左打者 投手でも本格派/注目の高校球児

西日本スポーツ

 九州の高校球児情報に精通したアマ野球ウオッチャー「トマスさん」が、丹念な取材でリストアップした好選手を紹介する「特命リポート」-。今回は福岡・戸畑の中野翔太(3年)をピックアップします。春夏計8度の甲子園出場を誇る伝統校で1年秋から外野のレギュラーとなり、高校通算本塁打は既に26本。本格派左腕として、マウンドにも上がるチームの中心選手です。

■外野手・3年

 中野の情報は早くからアンテナにかかっていた。兄の裕斗(山口大)は小倉のエースとして2015年秋の九州大会に出場し、21世紀枠の県推薦校選出の原動力となった好選手。その兄だけでなく「弟も投打ともにいい」と聞いていたからだ。

 初めてプレーを見たのは、自由ケ丘と対戦した昨秋の福岡大会2回戦だった。私立の強豪校を相手に「2番中堅」で出場し、初回にいきなり右越えの本塁打。2本の二塁打も放ち、4打数3安打の活躍でチームを6-2の勝利に導いた。

 3月初旬には、八幡工との練習試合で活躍。散歩の際に立ち寄ったのだが、観戦中の保護者も「4番で本塁打を2本打ち、投げても良くワンマンショー」と目を丸くしていた。両翼102メートル、中堅122メートルの広い球場での2発は価値がある。

 その後は不調に陥った時期もあったが、原因を「右の脇が開き、(バットの)ヘッドが下がっていたため、強い打球が打てていなかった」と分析し、好調時のフォームに修正。練習前後のティー打撃で「自分の形が明確になってきた」と話す。

 ゴールデンウイーク中の取材日。早鞆との練習試合で打撃開眼した。内角は「脇を締めて、前でバーン」とさばき、一、二塁間を鋭く破る安打を3本重ねた。さらに真ん中の直球を逆方向に押し込むフォームで、左越えの高校通算17号とした。

 「狙っていた」と振り返る一発は、捕手と投手を観察する読みも光った。「全て狙っている?」と質問すると、中学時代は俊足の1番打者だった中野らしく「チーム打撃と出塁が最優先で、試合に余裕ができたら狙う」との答えが返ってきた。

 中堅の守備では強肩も際立ち、ダイレクトの返球で本塁に突入した走者を刺すシーンもあった。本格派左腕で投手としての能力も高いが、現在は打撃を優先。「『やるぞ』の気持ちで、高校通算30本を目指します。チームを引っ張って、甲子園に出場したい」と強い決意を口にした。

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