ソフトバンク大竹神宮凱旋星 「早大で培った辛抱」生きた

西日本スポーツ

 ◆ヤクルト5-6ソフトバンク(20日・神宮)

 早大時代に酸いも甘いも味わった神宮での“凱旋(がいせん)勝利”を挙げた大竹だったが、試合後は苦笑いを浮かべた。「ホームランを打たれたときの嫌な感じを久しぶりに思い出した」。2ラン2発を浴びたことで、左肩の故障で苦しんだ大学3年以降の記憶が脳裏によみがえった。

 熊本・済々黌高から2014年に早大へ進み、1年春から東京六大学リーグ戦に登板した。2年時には春秋連覇と全日本大学選手権制覇に貢献したが、いい思い出はここまでだった。「3年以降は左肩を痛めてプロ入りどころか野球を続けられるかどうかも分からなかった。早大で培ったもので一番大きかったのは、諦めずに辛抱し続ける精神力です」と振り返る。

■熊本対決は村上に痛恨被弾

 「立ち上がりから調子はよくなかった」というこの日も辛抱の投球だった。1点リードの2回無死一塁では自身と同じ熊本出身で打点リーグトップの村上に初球を右翼席に運ばれる逆転2ランを被弾。2点リードの5回1死二塁では山田哲に初球のチェンジアップを捉えられ同点の2ランを浴びた。この回なお2死満塁のピンチを招いたが中村を三ゴロに仕留め追加点は阻止。5回4失点で降板したものの、直後の6回に内川が勝ち越し2ランを放ち、白星が転がってきた。

 思えばプロ入りから辛抱の連続だった。2018年に育成ドラフト4位で入団。周囲には育成での入団に反対する声もあったが決断した。「(1軍で活躍する)可能性がある限りやろう」と筑後のファーム施設で必死に汗を流し、同年7月末に支配下登録を勝ち取った。今シーズン序盤も打線の援護がなく、好投を続けても勝ち星が伸びなかった。それでも「大学でもっとつらい思いをしてきた」とめげることはなかった。早大3年時以降のいい記憶がない神宮には大学時代、来る度に食べていたラー油がかかったたこ焼きがあるが、今は体調管理のため、登板前には制限している。大学時代の勝利を呼び込んできた縁起の良い好物を「食べたい」と何度も口にしながらも、ぐっとこらえ、ぴりっとはしなかったが粘投につなげた。

■自身「4連勝」

 交流戦が18試合制となった15年以降、左腕で3戦3勝を挙げたのは15年菊池(西武)と17年浜口(DeNA)の2人だけ。3人目に名を刻んだだけでなく、自身最長を更新する4連勝で5勝目を挙げた。「次(の登板)からまたリーグ戦に戻る。交流戦前よりもう一段階上の投球をしないと抑えられない」。思い出の地での1勝に浸ることなく、すぐに前を向いた。 (長浜幸治)

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