引退表明トーレスの人柄がにじむ1枚の写真

西日本スポーツ

 サッカー元スペイン代表で現役引退を表明したJ1鳥栖のフェルナンドトーレス(35)が23日、東京都内で会見した。2001年のプロデビューから多くの欧州クラブでプレー。W杯3大会に出場し、10年南アフリカ大会で優勝を経験した。18年途中に鳥栖入りし、今年が日本で2シーズン目だった。

 1枚の写真を見るたびに人柄の良さを改めて感じてきた。フェルナンドトーレスが佐賀市内の小学校を訪問した昨年12月、手洗いの大切さを伝える授業に参加。洗い終わった子どもにペーパータオルを渡している。何げない光景だが、輝かしいキャリアを築いた男のさりげない気遣いに感心させられた。

 来日当初「私が何かを与えるというより、皆さんが教えてくれると思う」と語った通り、早めに練習場に顔を出すなど謙虚で勤勉。試合後に報道陣の前を素通りする選手もいる中、大敗しても誠実に答える姿も印象的だった。驚いたのは昨年末に実現した単独インタビューの時。通訳は母国語のスペイン語ではなく英語でたどたどしく、相当ストレスがかかったはず。それでも彼は嫌な顔一つせず、予定の倍の30分も質問に答えてくれた。

 インタビューの最後に「私のプレーを見て学んでいる子どもたちのためにも、いいところを見せないといけない」と語った。鳥栖が最下位に沈む中での引退表明。責任を感じているかもしれない。しかし誠実さを通し、鳥栖の根幹になっている献身性の重要さを再認識させてくれた功績は大きい。逆に鳥栖や日本はフェナンドトーレスに何を教えたか。答えが浮かばないからこそ、引退が惜しい。(末継智章)

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