桐生「危機感が違う」 サニブラウンと9秒台対決 陸上日本選手権

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 陸上の世界選手権(9~10月・ドーハ)代表選考会を兼ねた日本選手権(西日本新聞社など協力)が27日から4日間、福岡市の博多の森陸上競技場で開催される。男子100メートルでは米国で日本記録9秒97をマークして帰国したサニブラウン・ハキーム(米フロリダ大)を前日本記録保持者の桐生祥秀(日本生命)ら実力者が迎え撃つ。200メートルでも優勝候補筆頭のサニブラウンに、大会連覇を懸けて飯塚翔太(ミズノ)らが対抗する。 (伊藤瀬里加)

 初夏の博多で、サニブラウンと桐生、新旧日本記録保持者による「9秒台対決」が実現する。両者の直接対決は2年前の日本選手権以来。サニブラウンは帰国時、風格たっぷりに言い放った。

 「やることをやれば、おのずと勝利もタイムも見えてくる」

 今月7日(日本時間8日)の全米大学選手権決勝。桐生の日本記録を0秒01塗り替える9秒97をマークして3位に入った。「達成感があった」と言いながらも、今季最大の目標は世界選手権。全米大学選手権後は一息つくことなく、練習を継続して今大会に備えた。

 2017年に世界選手権200メートルで決勝進出を果たすなど大ブレーク。昨季は故障で苦しんだが、その間、強豪フロリダ大の充実した環境と指導の下で、地道な体づくりに取り組んだ。その成果が、今季の好成績につながっている。

 日本での凱旋(がいせん)レースとなる日本選手権。高校を卒業したばかりだった前回出場時とは立場が違う。「今回はチャレンジャーではなく追いかけられる側。集中していかないといけない」。福岡は母の里帰り出産で生まれた場所でもあり、「祖父も福岡にいる。結果的にいい帰国になると思う」と心待ちにもしている。

 前日本記録保持者となった桐生も負けてはいられない。5年ぶりの日本一へ、「ライバルがいる中で優勝して世界選手権に内定したい」と力を込める。4月のアジア選手権で優勝すると、5月のセイコー・ゴールデングランプリ大阪では10秒01をマークし、17年世界選手権金のガトリン(米国)に次ぐ2位。爆発力に加え、安定感や勝負強さも備わってきた。

 17年に日本人初の9秒台を記録したものの、昨年は低迷。記録に満足していた部分もあったという。「去年は自分の中で燃えるものが全然なかった。今年は危機感みたいなものが違う」。復活を期した今季は、冬場から充実した練習を積んだ。筋力トレーニングを精力的にこなし、パワーアップに成功。上体が安定し、得意とする中盤からの加速に磨きがかかった。

 前回覇者で日本歴代3位タイ10秒00の自己ベストを持つ山県亮太(セイコー)こそ病気のため欠場を発表したが、レースは2人の9秒台スプリンターを筆頭に日本歴代10傑のうち6人がエントリーする激戦となった。昨年のアジア大会で200メートルを制した小池祐貴(住友電工)は5月に100メートルで五輪参加標準記録を突破する10秒04をマーク。ケンブリッジ飛鳥(ナイキ)や多田修平(住友電工)ら多士済々だ。男子100メートルの決勝は28日。史上最速レースの行方を見逃せない。

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