和田毅651日ぶり復活星 肩にPRP、1年で注射50本超

西日本スポーツ

交流戦優勝を喜ぶ(左から)福田、内川、和田、松田宣 拡大

交流戦優勝を喜ぶ(左から)福田、内川、和田、松田宣

5回1失点で2年ぶりの白星を挙げた和田 交流戦のリーグ年度別成績

 ◆巨人1―5ソフトバンク(23日・東京ドーム)

 651日ぶりの白星にも感傷に浸ることはなかった。交流戦優勝を決める大一番。和田が大役を全うした。「チームが勝ったことが大きい」と振り返った38歳は「去年、まったく投げられなかったことが申し訳ないし、恥ずかしい。これだけかかってしまって申し訳ない」とチームにわびた。

 5回を投げ、失点は岡本に許したソロの1点のみ。初回に4点の援護をもらい「飛ばしていけた」。先頭亀井の3球目で直球の最速は145キロをマーク。2試合連続猛打賞を許していた丸も無安打に抑えた。

 5月22日の2軍中日戦から前回登板の6月12日阪神戦まで中6日での登板。リフレッシュも兼ね設けられた中10日の調整期間で「いいフォームで投げれば、ボールも良くなる」と三塁側を踏んでいたプレートの位置を一塁側に戻す決断をした。「16年のように一塁側から力勝負ができるのが理想」。日本球界に復帰し、最多勝に輝いた2016年シーズンと同じスタイルで17年9月10日のロッテ戦以来の復活星。交流戦通算勝利数を歴代2位の25勝とし、トップの杉内(現巨人コーチ)に1勝差と迫った。

 昨年の春季キャンプ中、肩の骨同士がぶつかる感覚があった。やがて肩の高さに手を挙げると「うっ」と脱力感が襲った。はた目に軽い投球に見えても「腕がちぎれそう」で、実際は歯を食いしばっていた。

 「自分に期待しては裏切られ続けた」。その夏に1週間練習を離れ、あらゆる治療を試した。泊まりがけで、同学年の中日松坂の肩も診た治療院を訪れもした。何が奏功したのか「張りが出た」と肩ができる過程の反応に高揚したのも束の間、その後再び停滞した。

 秋口、すがる思いで血小板で組織の修復、再生を図るPRP注射を打った。ヤンキース田中やエンゼルス大谷が打ったのは肘だったが、和田は肩。メジャー挑戦早々にトミー・ジョン手術を受け、失意のリハビリに暮れたオリオールズ1年目。左腕ブリットンが肩の故障でPRPを打ったのを聞いていた。復活した同僚は後にセーブ王になった。

 1カ月たつころに「肩の中のスカスカだったところが盛り上がってきた」と感じた。それまでにも関節内注射、筋膜間注射など、昨年だけで50本以上。「日本一、注射を受けた投手じゃないか」。数多くの手を借り再起した左腕の復活劇は、まだ始まったばかりだ。 (鎌田真一郎)

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