交流戦Vソフトバンクが抱える課題/斉藤和巳氏の目

西日本スポーツ

交流戦でそれぞれ3試合に先発した千賀(左)、大竹(右上)、高橋礼 拡大

交流戦でそれぞれ3試合に先発した千賀(左)、大竹(右上)、高橋礼

西日本スポーツ評論家の斉藤和巳氏 ホークス今季交流戦の先発と救援投手成績 交流戦成績(全日程終了)

 プロ野球は交流戦が終了し28日からリーグ内の対戦が再開する。パ・リーグは上位4チームが3ゲーム差内にひしめく大混戦。交流戦を制した首位のソフトバンクはまず4位日本ハムと敵地で対戦する。交流戦中に抑えの森が離脱した一方で新戦力の台頭もあった投手陣の現状と課題を、西日本スポーツ評論家の斉藤和巳氏が分析した。

 私なら8度目の交流戦制覇のMVPに「救援陣」を選んだ。11勝のうち10勝を先発投手が挙げた形だが、優勝を引き寄せたのは救援陣の踏ん張り。数字を見ても明らかだ。先発陣の防御率3・65。救援陣はリーグ唯一の2点台となる2・35だった。先発陣の平均投球回は5・76回で平均投球数は93・83球と100球に満たない。いかに中継ぎ、抑えに負担をかけているかが分かる。

 交流戦中の完投はゼロ。リーグ戦を含めても完投はまだ1試合しかない。4月17日のロッテ戦、大竹が8回を投げて0‐1で敗れた試合だ。先発にベテランが並んでいるなら、まだ理解できる。3試合ずつ先発した千賀、大竹、高橋礼と若い投手がいながら、この数字、この状況ははっきり言って物足りない。

 ここ数年、救援陣の存在がホークスの優勝争いを支えてきた。12球団ナンバーワンの強力な能力と選手層なのは間違いない。昨年はサファテ、岩崎が不在の中で、森が成長し、加治屋が台頭した。ただ、今季は加治屋が故障や不調で2軍での調整が続いていた。さらに開幕からフル稼働していた抑えの森が交流戦中に離脱。今後、救援陣はさらに厳しい状況が待つ。

 そんな中、ルーキー右腕の甲斐野が、好不調はあっても開幕から投げ続けている。交流戦で最多10試合に登板したモイネロに次ぐ8試合で投げ、1セーブをマークした。モイネロ、嘉弥真もそれぞれ1セーブ。森の穴は誰かが埋めるというより全員で埋めることになるが、甲斐野がある程度計算できれば、勝ちパターンの継投が安定する。

 交流戦中、中継ぎとして唯一勝利を挙げた椎野も7試合に登板。同じ7試合登板の高橋純と新たな若い力も出てきた。今後チームの力になるはずだ。

 一方で、リーグ戦再開後の不安は小さくない。救援陣にこれ以上の負担がかかるようなことになれば、夏場以降、厳しい戦いを強いられる。故障しているサファテ、岩崎の完全復活を計算するのは酷だ。新人や若い投手も安定した力を継続して発揮するのは、簡単ではない。

 この問題を解決するためにも、千賀ら先発陣が1イニングでも長く投げる必要がある。もちろん、打線の強力な援護も必要だ。交流戦のように一発攻勢を続けるのは、簡単ではない。グラシアルが抜ける期間も考えれば、打線のキーマンに内川を、投手陣からは期待を込めて甲斐野を推したい。 (西日本スポーツ評論家)

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