混戦脱出へ打線の「つながり」を/藤原満氏の目

西日本スポーツ

 プロ野球は交流戦を終え28日にリーグ内の対戦が再開する。パ・リーグは上位4チームが3ゲーム差以内にひしめく大混戦。交流戦を制した首位ソフトバンクはまず4位日本ハムと対戦する。安打が出ない「満塁不振」を脱出したとはいえ、本塁打頼みでつながりを欠く打線の現状とキーマンを西日本スポーツ評論家の藤原満氏が指摘した。

 選手はもちろん監督、コーチも本当によく戦った。最後の6連戦は不慣れなセの本拠地。指名打者が使えない形でも4勝2敗で勝ち越して地力を示した。これだけ故障者を出しながら、勝ち抜いたのは力のある証拠だ。層の厚さ、個々の能力の高さ、采配が優勝につながった。

 攻撃面だけ言えば、チーム計32本塁打が勝利に直結した。中でも、グラシアルが7発。打率も3割を超え、加えてチームトップタイの14打点をマークした。本塁打を放った7戦全勝の勝負強さも光る。デスパイネが交流戦で調子を落としただけに、好調な助っ人が打線の中心になった。

 ベテラン松田宣の存在も大きい。本塁打、打点はグラシアルと並んでチームトップの7発、14打点。打率はトップの3割4分8厘だった。主力の不在が続き、日替わりにならざるを得ない打線の中で、チームに勢いを与えた。

 日替わりメンバーも、それぞれが持ち味を出した。特に福田はラッキーボーイ的な存在だ。満塁弾を放ったかと思えば、「優勝決定戦」となった巨人戦では二塁で先発して先頭打者アーチを含む2本塁打。大仕事をやってのけた。

 一方で、チーム打率は2割3分3厘。打線はつながりを欠いた。32本塁打を打ちながら、73打点は西武の95、ロッテの85に次ぐリーグ3位。適時打の少なさが原因だ。満塁では交流戦前、5月18日の日本ハム戦から6月21日の巨人戦まで28打席連続で適時打がなかった。

 拙攻と言えば、6月18日のヤクルト戦、3回無死、先頭の松本が二塁打で出塁しながら、三塁にも進められずに無得点。9番からつくった好機を逃すのは痛い。得点パターンが一発攻勢しかなかったのは、再開するリーグ戦に向けて大きな気掛かりだ。

 7月中旬からグラシアルが1カ月ほど不在になる。本塁打に頼らず、いかに1点をもぎ取るか。勝ち抜くには、ここをクリアする必要がある。野手のキーマンは、チームを引っ張っていける、元気な松田宣を指名したい。投手陣はエースに成長した千賀。彼が1年間ローテを守って投げ続けること。2人の存在がチーム浮沈の鍵を握る。

 柳田らが不在でもチームはいい位置にいる。リーグ戦に戻っても戦い方は変わらない。打線は日替わりが続くだろう。主力のベテラン、中堅、成長中の若手、途中から出場する選手が当たり前のことを当たり前にやること。そうすれば結果は付いてくる。 (西日本スポーツ評論家)

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